もし、あなたが職場のいじめに気づいたらどうするべきなのか?
それは、傍観者にはならないことです。
知らないうちに、あなたも加害者に!?
「いじめられる側にも問題がある」と言う人もいますが、私はそうは思いません。
どんな理由があったとしても、いじめていいという話にはならないからです。
たとえ「相手が嫌なヤツだから集団で無視してるんです!」という主張であっても通らない話。
どんな理由があれど、いじめを肯定することはできません。
職場のいじめの厄介なところは、『被害者でない者が加害者側についてしまうこともある』という点です。
さきほど例にした集団無視のように、誰もがいつの間にか『いじめる側の人間になってしまう』可能性があるのです。
「仕方ないよ、だって巻き込まれたくないもの」
いつの間にか傍観者になってしまった人たちは口を揃えてそう言うでしょう。
しかし、このような「自分さえ良ければいい」という身勝手な考えがいじめのサイクルを形成してしまうのです。
「自分さえ良ければいい」これが、社会でいじめ問題を引き起こす最大の原因なのかもしれません。
いじめ環境にはびこる『特殊な心理』とは?
職場のいじめは、被害者だけでなく、働いている周りの人たちにもストレスを与え、生産性を低下させる問題でもあります。
実は、いじめが発生する集団内には、ある特殊な心理が存在します。
それは、自分の居場所を失いたくない(=所属の欲求は満たしていたい)という心理。
自分の居場所を失いたくないために、自然とグループ内の見えないルールに従ってしまうのです。
こういったグループの中には『赤であり、白ではない』という見えないルールみたいなものがあって、それを守ってさえいれば仲間として認められ、見掛け上の安全が得られるような雰囲気が作り上げられています。
そして、「白を選ぶこと」はグループの結束と安全を脅かす者として、いじめの対象となり排除されてしまう。
だから、自分の意志ではなく、グループの意志に依存するようになる。
これが『現代のいじめの構造』です。
究極の職場いじめは『無視』
「究極の職場いじめは無視である」と私は考えています。
- 自分だけランチや飲みに誘われない
- 陰でコソコソ悪口を言われる
- 話の輪に入れてもらえない
など、いわゆる『仲間はずれ』がまだまだ存在しています。
あからさまな“いじめ”であれば、誰かが必ず気づいてくれます。
すぐに上司が指導に入ることだってできるでしょう。
しかし、“無視する”という行為はどうでしょうか?
加害者は、被害者に言葉を浴びせたわけでも、手を出したわけでもないので、被害者以外が加害者を特定することが難しい。
さらに、被害者が加害者を訴えたとしても、加害者は何とでも逃れようがあるのです。
誰にも気づいてもらえない被害者にとって、無視による精神的なダメージは相当大きいものとなるでしょう。
仕事に支障がない程度であればまだしも、大事なことを教えてもらえないなど、業務に支障が出てくる可能性だってあるのです。
傍観者にだけはなりたくない!!
それでは、改めてあなたに質問します。
もし、あなただけが職場のいじめに気づいたらどうしますか?
そんなこと言われても、自分から加害者に「いじめはやめて!」とは言えないし。
上司にかけあってみたところで、「本人から直接言われないと」と門前払いされるだけだろうし。
まだそう思ってしまうかもしれませんが、客観的な立場から「どうするべきか」をお伝えします。
労働組合があったり、力のある者が気づいて組織の体質改善に動いてくれるのであればいいですが、そうでない場合は『自分の意見を正しい方法で然るべき人に主張したほうがいい』と勇気づけて下さい。
必要であれば、一緒に考えたり、探してあげるなど、助けになってあげて下さい。
行動を起こしたことによって、もし被害者の立場がより悪くなるようでしたら、そんな会社はとっとと辞めるべきでしょう。
もしここで、「被害者の相談にはのれない。だって、次のターゲットが私になるかもしれないし」と頭をよぎってしまった人は、もう一度この記事を読み直してください。
怖れる必要なんてありません。
憔悴して何も考えられなくなっている被害者の心に寄り添いましょう。
傍観者は、無視する事と同じです。
あなたに人としての倫理観があるのなら、傍観者にだけはならないで下さい。