目次
今回は「ワンオペ育児」についてのお悩みや疑問にお答え致します。
- ワンオペ育児とは?
- ワンオペ育児の実態
- ワンオペ育児の改善方法(対策・対処法)
ワンオペ育児とは
ワンオペ育児は「ワンオペレーション育児」の略で、夫婦のどちらか一方が育児のほとんどを担っている状態を指します。
ワンオペ育児の状態になっている家庭は少なくありません。そして多くの場合、主に女性が担っており、育児だけでなく、さらに家事についても同様にワンオペ家事の状態となっているのが実態です。
いずれにしても、ワンオペ状態になってしまうのにはいくつかの理由が考えられます。
例えば、パートナーの仕事が不規則な場合です。夜勤をはじめ、勤務時間が早朝から深夜までなど、日中に自宅で過ごせない働き方をしている人も少なくありません。
他にも、出張や単身赴任などで家族と離れることが多い場合や、近くにサポーターがいない場合もワンオペ状態になりやすいです。
ワンオペ育児の現実
ワンオペ育児だけでも大きな負担ですが、さらに大変なのが、働く女性のワンオペ育児です。
周りから見ると、自分のやりたい仕事をしながら育児や家事もこなす女性は、周りの人たちの目には“キラキラと輝いて見える”かもしれません。しかし、よくよく悩み、試行錯誤と創意工夫を重ねながら、努力して両立させているのが現実です。
ワンオペ育児をこなす働くママさんの一日
ワンオペ育児をこなす働くママさんからは、「自分の時間がない、心に余裕がない」という悩みを頻繁にお聞きします。
【参考】ご相談者Yさんの一日のスケジュール
- 6:00-6:05起床支度
- 6:05-6:30朝食の準備
- 6:30-6:55家族で朝食(子供の食事サポートに多くの時間を費やす)
- 6:55-7:20食器洗い、洗濯物(洗い&干す)
- 7:20-7:30子供のサポート(身支度など)
- 7:30-7:45子供を保育園に預ける
- 7:57-8:45最寄りの駅から通勤
- 8:45-9:00会社の最寄り駅に到着、徒歩で会社へ
- 9:00-16:30仕事
- 16:30-17:20終業、帰宅
- 17:20-17:30子供を迎えに保育園へ
- 17:30-17:45帰宅
- 17:45-17:50洗濯物を取り込む
- 17:50-18:20夕食の準備
- 18:20-19:00夕食(子供の食事サポートに多くの時間を費やす)
- 19:00-19:40食器洗い、洗濯物を畳んで収納
- 19:40-20:00お風呂洗い、湯船に湯入れ
- 20:00-20:30子供とお風呂に入る
- 20:30-21:30子供を寝かしつける(すぐに寝ないことが多い…)
- 21:30-22:00翌朝の準備(炊飯予約など)
- 22:00-23:00仕事の準備、ネットニュース見る etc…
- 23:00-0:00就寝
その他にも細かいことや、突発対応などもたくさんあるそうで、まさに時間に追われる日々を送っています。
なんと、分単位で行動を切り分ける意識をしているのだとか…。頭が下がります。
時間に追われるとバランスが崩れやすい
やらなければならないことが多くて時間が足りない状態(時間に追われる状態)に陥ると、子供の話をしっかり聞いてあげることも、大切なことを教えてあげることも難しく、子供とゆっくり向き合う時間が持てなくなるものです。
子供から一緒に遊んで欲しいと要求されても、つい「後でね」「また今度ね」と返事をして後回しにしたり、その約束も守れなかったり、取るに足りない些細なことにも関わらず子供をすぐに怒ってしまうという悩みもよくお聞きします。
申し訳ない気持ちが強くなる
働くママさんの多くが、“子供が心配な気持ち”と“仕事で周囲の人たちに迷惑をかけているという罪悪感”があると言います。
子供が小さいうちは、子供の急な発熱や体調不良などで、仕事を早退したり休んだりせざるを得ない状況となってしまうことも珍しくありません。
子供が理由で早退したりお休みしたりすることに理解のある職場であれば救われますが、まだまだ少ないのが現実です。
よく思わない人が職場にいたり、実際に文句を言われたり、重要な仕事を任せてもらえなくなったりなどの事例もあります。
ワンオペ育児の対策
ワンオペ育児の状態であっても、フルタイムで働きたい女性は多くいます。働かなければならない事情がある方も多いですし。
一方、実際に仕事を始めてみたものの、時間に追われて心身共に疲れ果ててしまう女性も少なくありません。
ワンオペ育児をこなしながら仕事もやり遂げるためには、事前に両立の対策をしっかり講じることが重要になります。
夫婦で“ちゃんと”話し合う
まず第一に「夫との話し合い」は不可欠。避けては通れません。
現状の共有、自分がどうしたいのか、悩んでいることは何か。一度、必要な情報をすべて共有して下さい。
夫の考えや意見も尊重しながら、建設的な話し合いによって理解を得るよう努めましょう。
どちらが何をするのか具体的に決める
夫に過度な期待を持たないようあえて。ワンオペ育児がどれほど大変なことなのかを知らない夫は多いです。
あらためて話をすることで初めて妻が悩んでいることを知るケースがほとんどだと思って下さい。
話し合うポイントは、「二人とも仕事が忙しい」を前提に、その状況の中でもお互いに協力し合える前向きな話をすることです。
どちらが何をするのか具体的な行動レベルに落とし込み、役割分担を明確にするよう心がけるとスムーズな話し合いができると思います。
サービス(有料)を利用する
家事や育児に関する有料サービスの利用を検討することも一つの手です。
稼ぎの大半がサービス費用に流れてしまうという本末転倒な事態だけは避けるべきですが、サービス費用を払ってでも共働きのほうが家計にはプラスであるなら利用する価値はあります。
例えば、食材や日用品を届けてくれる宅配サービスを利用すれば、お店へ買い物に行く時間を削減できます。
家事代行サービスも便利で、利用者の希望に合わせて料理、買い物、洗濯、掃除などの毎日行うルーティンな家事業務を任せることが可能です。
サービスを利用することに抵抗がある場合は、最新の便利家電を購入して家事の負担を減らすという方法もありますよ。
他にも、ベビーシッターやファミリーサポート(地域で育児の支援を受けたい人と支援したい人が助け合うことを目的とした制度)の利用もおすすめです。保育園まで子供の送迎をお願いしたり、子供を預かってもらうこともできます。
共働きのあり方
今はジェンダー平等の時代。共働きなのに女性ばかりがツライ思いをするという状況は時代遅れです。今すぐに改善しなければなりません。
まずは一人で悩みを抱え込まず、パートナーに打ち明けてみて下さい。意見を押し付け合うのではなく、お互いを尊重し合いながら真摯に話し合えれば必ず道は拓きます。
育児や家事は仕事人生の足枷ではありません。人の一生のうち子育てに手がかかるのは、わずかな時間だけです。その間だけでも協力し合って楽しみながら乗り越えましょう。