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今回は、「残業で損をしない為に知っておきたいこと」を5つご紹介します。
サービス残業ばかりのあなた、改善してよりよい働き方を構築しましょう!
- 「朝は9時始業、帰りは終電…」で毎日クタクタ
- 上司からは「残業代が出る会社なんて今どきそうそうないよ」と言われた
- 「若いうちはガムシャラに働くのが当たり前」と長時間の拘束を余儀なくされる
これらのような風潮で追いつめられて、結局退社。な〜んてことは、今の時代よくある話です。
でもですね、この働き方はかなり問題なんですよ。
1.「働く時間」にもルールがある!!
1日で働いていいとされる時間の上限は実働8時間。
これは「労働基準法 第32条」で定められています。
一般的には休憩時間を1時間、1日の拘束時間は9時間が上限ってことになりますね。
また、実働の上限は「1日8時間の実働×週5日間」とし、『1週間で40時間の実働が上限』とされています。
2. えっ、「残業する」のにもルールがあるの!?
残業をする為には、従業員代表と企業側が「残業してもいいですよ」という約束をしなければいけません。
従業員代表と企業側が残業について話し合い、「書面に残す」などして合意をする必要があるのです。
これを「協定を結ぶ」なんて言いますね。
しかも、企業側は「その協定の範囲内でしか残業させることができない」ようになっています。
この協定は「労働基準法 第36条」で決まっていて、通称『サブロク協定』と呼ばれています。
社会に出ればメジャーな言葉なので「もちろん知ってる!」という人もいれば、「何となく聞いたことあるかな…」という人もいるでしょう。
『サブロク協定』をにわか知識で頭に入っている若い社員の中には「協定を結んでいないので残業できません」とドヤ顔で上司に意見してしまう社員もいるようですが、自分の知らないところで「従業員代表に選ばれた人が協定を結んでいる」ことが考えられますので、軽はずみな行動は考えものです。
特に規模の大きな会社になってくると「従業員代表」を選ぶ投票が書面の回覧で行われていても、日々の業務にかまけて「選んだことすら忘れてしまっている人」もいるようですから、『誰が従業員代表なのか』くらいは把握しておきましょうね。
3. あなたの会社は、ひと月に何時間まで残業していいの?
「残業してもいい」ということは知っていても、「ひと月に何時間まで残業できるのか?」という『残業時間の上限』を知らない人は意外に多いようです。
企業は、協定の内容を書類で「労働基準監督署」に届け出ています。
その書類には「残業できる時間は月に○○時間まで」など、残業のルールが明記されているわけですね。
月に30時間まで、月に40時間までなど、企業によって残業時間の上限が異なっているはずなので上司に必ず確認するようにしましょう。
残業時間の上限を知っておかないと、残業時間の上限を超えて働いていても疑問に思わないわけですから。
会社にいいように使われて「過労で退社」なんてことだけは絶対に避けましょうね。
4.「給与25万円(残業代含む)」に騙されるな!!
残業代を含む給料の「見せ方」が流行っていますね。
それは、高額に見えるから。
「高額に見せて応募者を集める」というのが企業側の常套手段になっています。
残業代を含む給与の表示があった場合に注意して欲しいのは…
- 残業代が何時間分の時間外手当に相当しているのか?
- その金額がいくらなのか?
この2点。これらが明確にされているかどうかを確認して欲しいのです。
法律では、この2点を従業員にきちんと説明することを義務づけています。
ほとんどの企業では明確に示されており、書面でもらえたり、きちんと説明を受けることができます。
明示されず、書面ももらえないというのはおかしいので、企業側に確認することを忘れないでくださいね。
- 「残業代を含むとありますが、こちらは何時間分の時間外手当に相当しているのでしょうか?」
- 「残業代を含むとは明示されていますが、時間と金額が書かれていなかったので教えていただけますか?」
と会社側に突きつけたときに、もし企業側が答えられない場合は、法律では「残業代を含む給料が基本給という考え方」になります。
「残業代を含む給料が基本給」であれば、拘束時間9時間を超えて働いた分は、追加で残業代が出なければおかしいってことになるわけですね。
あなたの場合はどうですか?きちんと時間と金額が明示されているかどうか確認しておきましょうね。
5. 知らないと大損!?【残業代のマメ知識】
残業は「割り増し賃金」になります。
ご存知の人は多いと思いますが、残業代は『基本の1.25倍の賃金』となります。
これは「労働基準法 37条」で決められていますね。
念のために「ちゃんと支払われているのか?」をチェックしておくことをおすすめします。
一度チェックして間違いなく支払われているようであれば問題ないでしょう。
もし、支払われていないことが発覚すれば、2年前までさかのぼって残業代を請求することもできますよ。
ただし、「未払いの残業代がこれだけあります!!」と主張するには『働いた時間の証明』が必要です。
タイムカードや日報で管理されている会社であればそれを証明材料にするといいでしょう。
「勤務時間の記録さえしていない」のは問題です。
もし、タイムカードや日報などの管理体制が整っていないのであれば、手帳に出社時間と退社時間を毎日記録するなどの対策をしておきましょうね。いざとなったら、そういったメモの記録でも証明になることが多いですから。
「効率が悪いから残業になってるんだ。サービス残業でもおかしくないだろ!!」などと言ってくる上司も中にはいるかもしれません。
でも…労働基準法が適用になる「労働時間」とは、『労働者が会社の指揮命令下に置かれている時間』のことですからね。
上司の言っていることは法の上では通らない話。自分の要領の悪さに責任を感じて1回くらいは目をつぶったとしても、これを当たり前にしてはいけません。
一人で解決できないときは、必ず第三者や第三の機関へ相談しましょう。
- 行政機関が会社の違法な点を指導する「労働基準監督署」
- NPOや弁護士が行っている「無料相談」
- 労働環境の改善を目的に存在する「労働組合」や「ユニオン」
などを有効に利用してくださいね。
どれだけ残業しても「給料が一向に変わらない」のであれば、それは「働くルールの知識」がないことも影響しているかもしれません。
今の仕事環境やルールを見直して「損ばかりの働く女性」から抜け出しましょう!