目次
今回は、『家庭内モラハラ(モラル・ハラスメント)の原因と特徴』についてお伝えいたします。
こんにちは、BPLaboです。
【事例】常に夫の顔色をうかがって過ごすのが心底しんどい…(Hさん・39歳)
私の夫は、結構おカタい仕事をしています。
仕事ぶりも真面目で、女性関係のトラブル(浮気など)も金銭トラブル(借金など)もありませんし、あからさまな身体的DVもありません。
でも、私の予想もつかないところでいきなり怒り出し、威圧的にののしられたり、私の言動の全てを完全否定したりするのです。
ひどい時には、何日も何週間も私を無視し続け、私の存在をまるで“空気のように”…。
時間と手間をかけて懐石料理レベルの豪華料理を用意しても何の反応もありませんし、いつも通り夕食を用意していると「買ってきたから」と言いながらわざわざ吉野家の牛丼弁当を食べるのです。買ってくるならせめて連絡くらいして欲しいです。
基本的に家の中の雰囲気は夫の機嫌・気分次第。夫の機嫌のいい時はテレビを見てワハハと笑えても、夫の機嫌が悪くなると絶対に笑えません。例えるなら、家の中の空気が急に凍りつく感じです。
罵倒されるのも、無視されるのも、機嫌を損ねるのも怖い。ただただ怖い。夫がもの凄く怖い。いつも夫の顔色をうかがって過ごさなければならず心底しんどいです。
夫が妻へモラハラをする本当の狙いとは?
Hさんが語ってくれたモラハラ夫の状況、あなたは何を感じましたか?
あなたの夫の日頃の言動と比べてどうでしょうか?
もし一つでも共通する特徴が見つかるようなら、あなたの夫がモラハラ男である可能性があります。これからお伝えする内容を参考に十分な対策を講じておきましょう。
さて、モラハラ夫は何のために、どんな目的があって妻に対してこのような酷いことをするのでしょうか?
ずばり!
妻を思い通りに操るためです。
夫に逆らえば10倍返し。そんな恐怖を妻に植えつける(洗脳する)ことで、自分に従順な妻を育成しているのです。
無視はモラハラの極み
「これまでのモラハラ体験の中で、最も自分の心がボロボロになったのは数週間無視され続けたことでした」と語るHさん。
私にはHさんのこぶしにかなり力が入っているように見えました。
そして、今にも泣き出しそうな表情で声を絞り出し・・・
「特に土日が怖かった。土日が来るのが本当に嫌だった。一緒に家の中で過ごしているのに、たったの一度も言葉を交わさない地獄…」
「私なんかがあなたの妻になってしまってごめんなさい」
「私なんかがあなたと同じ屋根の下にいてごめんなさい」
「私なんかがあなたの視界に入ってしまってごめんなさい」
「私なんかが生きていてごめんなさい…」
身を震わせながら、「私はずっとそう思って過ごしてきました」と話してくれました。
多くのモラハラ被害者が抱え続ける疑問
- いつどんな理由で夫が怒り出すのか予測できない。
- 夫の怒りの原因が「これかな?」と思うところがあっても、そのことがどうしてそれほど夫を怒らせるのか理解できない。
- 同じことを言っても昨日は怒らなかったのに今日はどうして怒り出すのか、その違いがわからない。
しかし、いくら妻が理由を聞いても、モラハラ夫は答えを返してくれません。
妻から夫へ「きちんと話し合おう」と冷静に歩み寄り、心の通ったコミュニケーションをとろうと努力しても、夫は妻の言葉の揚げ足を取り、話を歪め、すり替え、あらゆる手段を駆使しながら妻を攻撃するでしょう。
モラハラ夫には、“妻の話を一度は聞いてみる、それから意見する”といったまともなコミュニケーションはできません。
同じ日本人が共通言語である日本語を使って丁寧に話し合おうとしているのに全く話が通じない、噛み合わない。それはもはや、絶望を感じるほどです。
超プライベートなモラハラもある
夫婦の営みにまでモラハラがあることもお伝えておきましょう。
夫が妻の精神を叩きつぶす一番手っ取り早い方法とも言えます。
モラハラ夫は、妻の気持ちも、体調も無視し、一方的に強要してきます。
日常生活の中で行われるモラハラだけで終わらない、いわば「とどめ」とも言えるモラハラ行為でしょう。
しかし、モラハラ夫の支配下にある多くの妻はその状況をただ耐え忍ぶしかありません。
妻には、もはや逆らう気力も残っていないのかもしれませんし、下手に拒んで夫のモラハラがエスカレートするのを怖れる気持ちがあるのかもしれません。
あるいは、喜んで応じているように演じてさえいれば夫の機嫌が良くなるという安心と安全を得るためかもしれません。
経済的なモラハラもある
妻から経済力を奪うことで妻を支配しようとするのが、経済的モラハラです。
例えば、“十分な生活費を与えず、外で働くことも許してくれない”というのが典型的なパターンでしょう。
そうやって妻に個人的な貯蓄を食いつぶさせるのが目的です。一方、外で働くだけ働かせてお金を奪う(家に全額入れさせる)というケースもあります。
夫から逃げたくても、妻にお金がなければ、現実的な問題やリスクなどに引き戻されてしまい、最終的には断念することになりかねません。
経済的な理由で妻の自由を奪い支配する。それこそが、経済的モラハラなのです。
モラハラ夫は、外堀を埋めるプロフェッショナル
モラハラ夫はリスクマネジメントにも長けています。
妻が実家や友人などを頼ることを見越して、普段からそれとなく手を打っている場合も珍しくありません。
例えば、もっともらしい理由をつけて、妻が実家に行くことを控えさせたり、妻の実家から両親などが来ることも控えさせたり。同じように友達と会うことも、友達を自宅に招くことも難しくさせます。
本当に厄介なのは、ハッキリ言わない場合がある点です。
陰湿極まりないモラハラ夫の中には「行くな」「呼ぶな」とは言わずに、「お前の親や友達がどれだけ俺を不愉快にさせているかお前にわかるか?」など、自分は被害者であると主張し、妻の両親や友人の悪口を執拗に展開してくる場合もあります。
そうやって『両親や友人に家庭のことは相談できない。下手をして大切な人を面倒なことに巻き込みたくない。という心境にあなたを追い込む』のです。
夫のモラハラは他人からは見えません。気づかれません…。
妻を両親や友人から切り離し、疎遠にさせる。
妻が家庭の外に救いの手を求めることが出来ないように、外からの救いの手が妻に届かないように、自由を奪い、思い通りに操るためにあらゆる手段を駆使して支配しようとする。他者からは見えない、わからない、それが『家庭内モラハラ』の特徴なのです。