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40代に立ちはだかるキャリア見直しの壁
アメリカの心理学者『シャイン』(組織心理学が専門)は、おおよそ35 ~ 45歳を「キャリア中期の危機」というステージに分類し、現状維持かキャリアを変えるか決めたり、自分の生き方や働き方を見直して再設計する段階であると言っています。
【エドガー・ヘンリー・シャイン・・・】
マサチューセッツ工科大学(MIT)にて、組織開発(オーガニゼーションディベロップメント、OD)、キャリア開発、組織文化の分野で、支援や補助を提供するさまざまな専門職の発展に貢献。MITスローン経営学大学院の元教授。引用・出典元:Wikipedia
こんにちは、BPLaboです。
今回は、『40代は職業や働き方を選びなおすベストタイミングである』という考え方について私なりの見解をお伝え致します。
【Case1】揺るぎない決意と圧倒的な行動力が必要
上昇志向を続けようとする限り、避けては通れない40代の現実『体力的な問題』がついて回ります。
今の40代・50代は見た目が若々しく体もまだまだ動く年代であることは否定しません。しかし、20代の頃と比べれば明らかに無理がきかなくなる人のほうが圧倒的に多いはずです。
一日中立ちっぱなしの場合もありましたし、出張先のホテルに戻ってからも深夜まで仕事をする状況だったため働く時間が長く、若さで乗り切ってきたところがあります。
40代という現在地からのさらなる上昇はもちろん可能です。しかし、それなりの覚悟と強靭な心身も必要になります。
世界で通用するグローバル人財を目指すことや、知識のアップデートや最新の技術を常に求められ、確かな成果を問われるステージであることを認識しながら、リスクをとって挑戦する道を選択肢に加えるか改めて検討してみましょう。
【Case2】自分で選んだ道の先にある結果を受け入れる覚悟と勇気が必要
会社の看板力と充実した福利厚生に守られた環境の大企業を辞める、大都市から地方へ移住してミニマムな生活をする、組織人を卒業してフリーランスを選ぶなど、これまで積み上げてきたものを捨てて自分らしい別の道を選ぶ40代も最近はそれほど珍しくありません。
しかし、それはそれで勇気のいる選択と言えます。40代になるまでずっと同じ会社で働いてきた人や、一般的な働き方とは違う働き方をこれまで一度も選んだことがない人にとっては恐怖の道に思えるかもしれません。
【Case3】覚悟と勇気が持てない
現状維持は約束されていない
とはいえ、たとえ今の場所で頑張る道を選んだとしても、現状維持が約束されているわけではありません。
不確実性の高い今の時代に、40代の社会人がこのままやり過ごす道を選ぶのは、とてつもなくハイリスクと言えるのではないでしょうか。
逃げ切るには長すぎる
現時点で50代後半を過ぎている人であれば、工夫次第でどうにか逃げ切ることも可能でしょう。しかし、40代以下の人たちが逃げ切るには長すぎます。
逃げ切れるかどうかを考えること自体どうなのだろうとも思いますが、40代でこのままやり過ごす道を選んで幸せに生き抜けるほど現代社会は甘くないのではないかと思うのです。
職業人生を3つに分けて考える
例えば、
- 20〜40歳(ステージⅠ)
- 40〜60歳(ステージⅡ)
- 60〜80歳(ステージⅢ)
と、現代にはおおよそ20年周期で3つの職業人生があり、職業や働き方をガラリと選びなおす機会が3回ある、と考えるのです。
時代に合わせて職業人生も最適化
終身雇用制度が盤石であった時代の働き方は、20代で入社したら定年まで働き、定年後は余生を楽しむというものが主流でした。
しかし、終身雇用制度が完全崩壊しつつある現在の日本社会では、職業人生の考え方も実際の社会状況に合わせて最適化する必要があります。
そこでお勧めしたいのが、職業人生を3つに分け、前・中・後で異なる職業人生を歩むことを前提とする考え方です。
40代にはチャンスが2回も残されている
平均寿命が延びている私たちには、いつどこで何が起こるか全くわからない不確実性の高い社会を、より長く生き抜いていくサバイバルスキルが求められます。その一つが「職業人生は3回ある」という発想です。
もしステージⅠ(20〜40歳)で失敗しても、チャンスはあと2回ある。そう受け止めることができれば、自分の職業人生を恨んだり、いたずらに悲観せずに済むはずです。
1回目より2回目、2回目より3回目をより良い職業人生にしていくと考えれば、前を向いて新しい働き方を選べるようになるのではないでしょうか。