「部下のことを褒めたいのに、なぜか褒められない…」本当の理由

長所に目を向けよう。
強みを伸ばす指導をしよう。

肯定的に考えて部下を褒めるポイントを探そうとはしているけれど、なぜか短所や悪いところにばかり目が向いてしまう…。

そんな経験をしたことのある方へ、今回は『部下を自然に褒められる自分になるコツ』について解説致します。

自分の信念を把握する

例えば、あなたに「仕事は慎重に進めるべきだ」という強い信念(=自分自身に課したルール)がある場合、部下の仕事が遅くても「慎重・正確・丁寧」に進めているケースであれば褒めることが出来ます。

一方、どんなに仕事が早くても、勢いだけで雑に進めている人を褒めることは出来ません。部下の慎重さに欠ける行動があなたの信念(ルール)に違反するため『どんなに仕事が早くてもそれは褒める点として映らない』からです。

同じように、「仕事は迅速にやるべきだ」という信念(ルール)が強い人には、たとえ部下が仕事を「慎重・正確・丁寧」に進めていたとしても、迅速さが欠けていれば褒める点として映らないのです。

信念は良くも悪くも自分の言動に影響をおよぼす

部下の短所や悪い面にばかり目が向いてしまう人は、信念・自分自身に課したルールが厳しすぎるのかもしれません。

その厳しいルールのおかげで仕事のパフォーマンスが高まり続けているのであれば、それはそれで素晴らしいことですが、そのせいでいつもイライラしていたり、周りに悪い影響を与えるようになっていたとしたら注意が必要です。厳しいルールが現実を歪め、いたずらに問題を作り出しかねません。

あなたにとってのルールが相手にとっても同様のルールであるとは限りません。同じ出来事が起きても「全く問題にしない人」と「大問題と捉える人」がいるということも合わせて理解しておきましょう。

マイルールを部下に押しつけない

部下の言動を見てイライラしてしまうのは、マイルールを部下に押しつけているからかもしれません。

部下の良い面に目を向けて褒め上手な上司になるには、マイルールを緩める努力も必要です。

「慎重な人も、迅速な人も、どちらの人にも良い面がある」と、ニュートラルな思考を心がけてみて下さい。マイルールが緩和され、いたずらに感情的になることを避けられますよ。

どうしても部下の長所が見つけられない、良い面がわからない、ニュートラルになれない、という方は『部下を受け入れる』ことだけに専念しましょう。

例えば、部下を見たら「今日も出勤している」と事実だけを捉え、良い悪いで判断しないことが大切です。

「無断欠勤をしたわけでも、仕事を一切せず怠けているわけでもない。彼・彼女なりに仕事に取り組んでいる」とただ受け入れ、見守るようなイメージで部下と関わってみてはいかがでしょうか。