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相談:夫のモラハラが家庭全体に悪影響をおよぼしている。離婚する覚悟はあるけれど…。
相談者:Sさん
初めまして、Sと申します。ぜひご相談させてください。
結婚生活18年、子どもは三人(上に息子一人・下に娘二人)います。
実は、夫の息子に対するモラハラについて悩んでおります。
息子と夫の関係が悪くなったのは、息子が高校に入学してからです。
それまでも夫は息子には威圧的に接していましたが、ある意味それは躾(しつけ)なのかなと私は思っていました。
しかし、息子が高校1年生の時に夫と喧嘩をして以来、二人はほとんど口を聞いていません。
就職した息子はもうすぐ家を出る事になっていますが、その事についても「あいついつ出て行くんだ、早く出て行け」など、私には理解できない言葉を発します。それを私が注意すると、数日、酷い時は1カ月くらい無視されます。
ネットで色々調べたらこれは「モラハラ」に値するのかなと感じました。
夫は40歳を過ぎていますし、多分もう性格は直らないと思います。下の二人の娘も夫といると緊張している感じです。
娘達が巣立った後、夫婦二人で生活する自信がありません。
離婚する覚悟はありますが、そのタイミングがよくわからないです。
放っておくしかないのでしょうか?
よろしくご指導お願いします。乱文すみません…。
(***ご相談内容は一部編集しております***)
(本記事は、当サイト「働く女性無料相談窓口」より、働く女性から寄せられたご相談にお答えする内容となっております。)
ご相談に対するアドバイス
こんにちは、BPLaboです。Sさん、ご相談ありがとうございます!
それでは、回答させて頂きますね。
大森篤志からの回答内容
現時点で優先させるべき課題
“旦那さんと息子さんの関係が悪い”ということですが、「下の二人の娘も夫といると緊張している」「娘達が巣立った後、夫婦二人で生活する自信がない」というSさんの発言から、既に二人の娘さんや妻であるSさんご自身にも少なからず旦那さんのモラハラによる悪影響がおよんでいると推察しています。
息子さんは仕事を理由に父親から離れることができるため、ひとまずは自分を取り戻せる環境に身を置くことができるでしょう。
これまで通りSさんが息子さんに愛情を注ぎ続ければ、息子さんはきっとその愛情に応えてくれると私は信じています。
むしろ、これからも旦那さんと一緒に暮らし続ける三人(二人の娘さんとSさんご自身)の「これからどうするか」についてしっかり考えをていくことのほうが現時点では優先する課題ではないか、と私は考えます。
子どもたちが何を感じているのか確認する
子どもたち3人を集め(旦那さんは除く)Sさんは、まず『子どもたちが父親に対して感じていることをただひたすらに聞いてあげること』から始めてみてはいかがでしょうか。
その際、Sさんは口を出してはいけません。
話の腰を折ることはせず、「それはお父さんが悪いよね」「〇〇(子どもの名前)は悪くないと思う」などと評価することも極力避けるようにしましょう。
子どもたちの感じていることを肯定もせず、否定もせずに『ただそのまま受け止めていく』ことを徹底して下さい。
子どもたちの気持ちに寄り添うように「◯◯な気持ちがあるんだね」「◯◯と感じているんだね」などと受容的な言葉をかけてあげると、子どもたちに安心感を与えることができると思います。Sさんが受容的な態度を徹底すことが出来れば、子どもたちはどんどん本心を話してくれるようになると思いますよ。
子どもたちの口から語られる言葉から“父親のモラハラが子どもたちに与える影響”を把握するよう努め、子どもたちにとってどうすることが一番良い対処方法になるのかを考えてみましょう。
助けになってくれる人を見つけて支援をお願いする
家族の問題は家族の中だけでなんとかしようとする傾向があり、家庭崩壊レベルの問題が起きていても周囲からはあまりよくわからない(そんなふうには見えない)というのが実態です。
今回のケースのようなプライベートに閉ざされがちな難題を乗り越えていこうとする時は、自分たちの助けになってくれる人、力になってくれる人、あるいは支援機関などを把握し、協力や支援をお願いすると乗り越えやすいものなのですが…。
いかがでしょう。Sさんの周りにそういう人はいますでしょうか?
Sさんのご両親
例えば、Sさんのご両親はどうでしょう。「それは絶対無理…」と拒絶反応を示すかもしれません。親に余計な心配や迷惑をかけたくないという子供心も当然あるでしょう。
しかし、娘であるSさん、孫である二人の娘さんの幸せを心から願い、三人に何かあった時には無条件で助けになってくれる一番身近な存在は間違いなくSさんのご両親です。
ご両親にきちんと状況を伝え相談した上で、もし離婚したほうが三人のためであるという結論に至った場合は、弁護士などの専門家を頼って下さい。
経験者の話しを直接聞いてみる
離婚のタイミングがわからなければ、Sさんにとってより良いタイミングを弁護士がご一緒に考えてくれるはずですよ。女性の立場をよくわかっていて離婚問題を得意とする弁護士を探し、まずは無料相談してみる(現状を正確に伝える)ことから始めるのも一つの方法だと思います。
あるいは、Sさんと同じような理由で離婚を経験したことのある友人・知人がいれば「どうやって難局を乗り越えたのか」直接聞いてみて、体験談からヒントを得る方法もあります。
義理のご両親も孫を愛しているはず
また、稀なケースかもしれませんが、Sさんがもし旦那さんのご両親と仲がよくコミュニケーションが十分に取れていて、実の息子さん(旦那さん)よりもSさん側の味方になってくれるような関係が築けている場合は、思いきって現状を(息子さんや娘さんの気持ちを事実に基づいて代弁することを主に)伝えてみると有効に働く場合もあります。孫に幸せになってもらいたいと願う気持ちは、義理のご両親も同じだからです。
但しその場合は、旦那さんのことは下手に悪く言わないよう(「我慢が足りない、妻としての怠慢」などと思われないように)細心の注意を払い、事実に基づいた状況説明を孫目線(Sさんにとっては子供さん目線)でこっそり内密に伝える配慮が必要です。
「誰にも言えない」などと思わずに
いずれにしても、「誰にも言えない」と思わずに、「自分を助けてくれる人なんていない」とも決めつけずに、改めて自分の周りにいる身近な人に目を向けてみて下さい。
一人で悩んでいると、お先真っ暗で、それがずっと続くように思えてくるものです。
今回のような家庭内の問題を、“家庭の外”へ助けを求めることはそう簡単なことではないでしょう。しかし、勇気を出して周囲に助けを求めた時に、塞がっていた状況が開き、明るい兆しが見えてくることが多いのも事実です。
「放っておける問題ではない」と、Sさんも強く感じていると思います。ぜひ、本回答を参考に勇気ある選択をされることを願っています。