大森篤志からの回答内容
彼氏への嫉妬心が深くなっており、今後どうすれば良いか悩まれているのですね。
ご相談内容からだけでは、ちゃまさんに嫉妬が生じている背景までは推察できませんが、「彼氏への嫉妬心が抑えられずに苦しい、彼氏の言動に過敏に反応してしまい辛い…」など、『自分の嫉妬心がコントロールできなくて困っている(できることなら嫉妬しないでいたい)』というご相談として承りたいと思います。
本回答が少しでも、ちゃまさんが自分の嫉妬心を手なずける為のヒントになれば嬉しいです。
嫉妬の心理メカニズム
嫉妬は、支配欲の表れでもあります。
彼への愛情に比例して「私だけを見ていて欲しい」という独占欲も大きくなり、それが嫉妬という行動に表れる。これが、多くの女性に見られる嫉妬の心理メカニズムです。
しかし、女性に支配されるのを極端に嫌う男性はかなり多く、嫉妬心を向けられた男性はやがて”逃げ出す”というのが、これまで頂いた数々のご相談から導き出した専門家としての答えです。
まずは、嫉妬が支配欲の表れであること、男性は女性からの支配を極端に嫌うこと、行き過ぎた嫉妬は別れに直結することを理解し、ちゃまさんご自身が「これからどう彼と関わっていけば愛が長続きするのか、円満な関係を続けていけるのか」を改めて考えてみて下さい。
おそらく、『嫉妬は必要ない』という事に気づくのではないでしょうか。
嫉妬心の原因は”認知の歪み”!?
「それでも嫉妬心が抑えられない。どうしようもない」という場合は、自分自身の『認知』についての理解を深めていきましょう。
ちゃまさんが嫉妬心を彼に向けてしまうのは、彼がちゃまさん以外の女性を見ているからでも、ちゃまさんの独占欲が強いからでもありません。
ちゃまさんに限らず、私を含め大多数の人間は『認知の歪み』によって嫉妬心が生まれるのです。
例えば、『認知の歪み』には一般的に次のような特徴があります。(参考:「アーロン・ベックの理論」)
- 選択的抽出:
出来事には良い悪いの両面があるのにも関わらず、悪い面だけを取り上げて考えてしまう事 - 恣意的推論:
証拠がないのに「そうに違いない」と悲観的に決めつけたり、正反対の証拠があるのに「違う」と否定的に結論づけてしまう事 - 過度の一般化:
出来事の一部分だけを切り取って、それが全てであると結論づけてしまう事(例:たった一度の失敗だけで自分をダメ人間であると決めつける 等) - 拡大解釈や過小評価:
些細な失敗を取り返しのつかない事態と捉えたり、成功しても全然ダメな状態であると考えてしまう事(例:自分にない面にばかり目が向き、ある面には目が向かない 等) - 自己関連づけ:
僅かな情報を悲観的な情報として自分に関連づけて考えてしまう事(例:目が合わなかったのは嫌われているからだ 等) - 分極化思考:
0か100か、白か黒かなどと両極端に考えてしまう事(例:小さなミスをしただけで「もう終わりだ」と考え、ひどく落ち込む 等)
例えば、女性アーティストの曲を聴いている彼の姿を見ただけで、「彼は私よりも、(女性アーティストのような)ああいう感じの女性が好きなんだ」などと決めつけてしまう。こういう認知が嫉妬心を生み出すのです。
いかがでしょうか。ちゃまさんも似たような認知をしてはいませんか?
自分自身の認知に歪みがあることに気づければ、今度は認知を修正することが可能になりますよ。
正しい認知をする上で大切なのは、自分の主観を鵜呑みにせず、「私の理解は本当にこれでいいのだろうか」と自問自答する事にあると私は思います。
ちゃまさんが彼に嫉妬心を向けてしまうのは何故なのでしょうか。あらためて考えてみて下さい。
彼の心が自分から離れてしまっているのではないかという恐れからでしょうか。それとも、自分のことをちゃんと見てもらえていないという不満(または不安)からでしょうか。あるいは、全く別の理由があったり、複合的な理由が組み合わさっている場合もあるかもしれません。
しかし、それらは本当に正しい認知と言えるのでしょうか。その理解で本当に合っているのでしょうか。
もし、嫉妬が単にちゃまさんの「決めつけ」や「思い込み」という『認知の歪み』によって引き起こされている”いたずら”だったとしたら、やがて別れという悲劇が待ち受けていることでしょう。
彼を信じることが試されている
冒頭で、嫉妬は「支配欲の表れ」とお伝えしました。実はもう一つ、嫉妬は『不信感の表れ』でもあります。
彼への愛情が大きくなってくると、心の中で「彼を信じられる?or 信じられない?」という葛藤が起こりやすいもの。そこで「信じられない」を選択してしまうと嫉妬という行動に表れます。
ちゃまさんにとって今が、まさに分かれ道だと思います。彼が浮気をしたわけではないのですから、今はまだ彼を信じてあげましょう。