大森篤志からの回答内容
職場の付き合いに振り回されてしまいONとOFFの切り換えが上手く出来ていない状態なのですね。仕事上の付き合いゆえに半ば強制的な部分もおありのようで何とも悩ましい問題です。
社交と言えば聞こえは良いですが、日本での社交は「付き合い」と言い換えることが出来ます。
社交には積極的に他者と関わっていこうとする姿勢が感じられますが、付き合いとなると「付き合わなければならない」というどこか消極的な姿勢が感じられるのは私だけではないでしょう。
日本で働く人々は、仕事の能力だけで評価されることはありません。職場の人間関係において優位性を得られるかどうかも重要な評価基準となります。
好感を持たれれば評価されやすく、悪感を持たれれば評価されにくい。良くも悪くも、それが日本の企業風土。Haruさんも経験上ご理解されている通り、今もなお『職場での付き合いが悪い人は評価されにくい』というのが実情です。
とはいえ、無理をしてまで付き合う必要はないと私は思いますよ。
高度経済成長期の家族的なつながりを基盤とした経営が成果を生んだ企業体質が終焉を迎えた現代社会で、社員がプライベートを犠牲にしてまで人生を会社に捧げる価値はあるのでしょうか。
特に、家族との約束をキャンセルしてまで付き合いを優先させるほどの価値は「仕事帰りの飲み会」や「思いつきの社員旅行」の中にあるとは私にはとても思えません。
今のHaruさんは「そろそろ限界」の状態にありますので、部署の行事は「夫の目があるので…」とお断りして下さい。少し含みを持たせながら家庭に事情があることを伝えれば、相手が常識的であるならそれ以上執拗に詮索してくることはないでしょう。これからは、予定を知らされた時点ですぐにお断りを入れるよう心がけて下さい。
『言いにくい事ほど早く伝える』
『言いにくい事ほど早く伝える』のが職場コミュニケーションの鉄則ですよ。
ほら、ドタキャンするほうがずっと印象が悪いじゃないですか。事前にお断りを入れておくほうが相手に迷惑をかけませんよね。
また、行動心理の観点からは、飲み会に顔だけ出してすぐ帰るくらいなら最初から参加しないほうが良いとも考えられます。なぜなら、途中退出という行動がこれから盛り上がろうと高まりつつある場の雰囲気をリセットさせてしまうからです。
それならむしろ「最初から参加しないほうが良かった」と言えます。頑張って参加したのに、ただ場の空気を壊して悪い印象を残しに行っただけという悲劇は避けたいもの。何事も中途半端が一番良くないのです。
良好な人間関係を保ちながら快適に働きたいのなら、仕事にはこれまで以上に懸命に取り組み、無理なお誘いはその場でさわやかに断ることです。そのほうが今よりも職場での評価が高まると思いますよ。
断り続けると評価が下がるというのは、おそらく断り方にあるのだと思います。
中途半端に断ったり、誘いに乗ったりするほうがマイナス評価につながると心得ましょう。