「反動形成」という心理。
オーストリアの神経病学者であるS.フロイトが発見した防衛機制(不快な感情を弱めたり避けることによって、心理的に安定した状態を保とうとする防衛作用)の一つに「反動形成」という心理があります。
「反動形成」とは、相手に対して過度な配慮を行うことによって(その相手に対する自分の)攻撃心を隠そうとする心理であり、自分が心から望んでいる事とは正反対の行動をとってしまうことを言います。
本来は冷酷な人が必要以上に優しい態度をとるのも反動形成のひとつ。本心では相手を信用していませんし、相手に好意を抱いているわけでもありません。ただ、人に対していつでも冷酷でいるわけにはいかないと思っているため、無意識に自分の冷酷さを抑圧してしまうのです。
反動形成の怖いところは、本人が「自分に嘘をつき続けている」ところです。なぜなら、自分の心に嘘をついて優しく振る舞い続けると、その反動で相手を憎む気持ちが膨らんでしまうからです。その限界を超えて感情が抑圧出来なくなった時、冒頭でお伝えしたように人の態度が豹変するのです。
「反動形成」の心理が働いている人の特徴
- 必要以上に優しくて親切である。
- 度を超えて献身的に尽くしてくれる。
- 優しいのにどこか不自然に見える。(笑顔が怖い など)
これらの特徴はあくまでも傾向ですが、あなたの身近にこうした特徴を持つ人がいたら、用心して付き合う方が賢明かもしれません。相手に気付かれないよう心して付き合って、本当に信頼・信用出来る相手であることがわかったら、あなたも負けじと相手に恩返しをしてあげればいいでしょう。
1 2