「正社員?」or「派遣社員?」あなたが選ぶべき本当の働き方とは?

今回は、『あなたが選ぶべき本当の働き方とは?』というテーマでお届けいたします。

大森篤志

こんにちは、一般社団法人 全国行動認知脳心理学会 理事長の大森篤志です。(※キャリアコンサルタント【登録番号17039543】)

「正規」と「非正規」の基本のキ

現在、日本の非正規雇用者の割合が4割にまで迫ってきています。

非正規雇用者というのは、

  • アルバイト
  • パート
  • 派遣社員
  • 契約社員

など、正社員を除く雇用形態で働いている人のことをいいます。

念のため、本題に入る前に雇用形態を整理しておきましょう。たとえ知っていても、もう一度再確認しておくといいですよ。

正社員

会社に直接雇用され、働く期間に定めのない形態です。

一般的には「9時から18時まで」など、会社が定めた時間内で働き、非正規雇用者よりも給料が高く、社会保障もしっかり受けられるケースが多いです。

ただし、『役職に就くこと(責任ある立場)』や『転勤をすること(会社都合で動く)』もあります。

 契約社員

会社に直接雇用されて働く形態です。

比較的給料も優遇される場合が多く、社会保障も正社員同様にきちんと受けることができます。

ただし、2ヶ月間、3ヶ月間、6ヶ月間、1年間といったように契約によって働く期間が定められており、期間が終わると再度契約を結ぶこともあれば結べない場合もあります。

派遣社員

働く会社に直接雇われないで働く形態です。

まず派遣会社に登録し、その派遣会社から働く会社へ出向するようなイメージです。

給料に関しても働いている会社からではなく、派遣会社から支払われます。

働き先での派遣期間が終わると、また派遣会社を通じて別の働き先を紹介されるのが一般的です。

パート・アルバイト

働く会社に直接雇われて働く形態です。

「週3日だけ、土日だけ、時間は10時から15時まで」など、正社員よりも働く日数や時間が短い働き方をアルバイトといいます。

パートタイマーも同じ意味で使われることが多いです。

(※今回は「会社組織の中での働き方」に的を絞ってお話しておりますため、独立・起業という働き方については触れておりません。予めご了承下さい。)

「職業選択の自由」から『働き方選択の自由』へ。

それにしても、非正規で働く人が「日本で働く人全体の4割」ですよ、4割!

私は、この状況をどう捉えるかという事がとても重要であると考えています。

なぜなら、非正規で働く人が増えていくこと自体が決してネガティブな状況なのではなく、新しい時代を切り開いていく上で必要な現象なのかもしれない。そういう見方もできるからです。

現実問題として、その背景には『働く側の意識の変化』が大きく関係しています。

雇用する側は、当然ながら人件費を抑えたいと思っていますので、正社員を増やすことに熱心になりにくいことは想像に難くありません。

しかし一方では、働く側が『主体的に働き方を選択している』という面もあるのです。

特に女性は、結婚や出産を機に働き方を変えざるを得ないケースも出てきます。自分を取り巻く環境が変わった時、その環境に合わせた働き方をチョイスできる。そんなフレキシブルな働き方を求める人が増えてきているのでしょう。

また、あえて正社員を選ばない大きな理由の一つに『今の状態がちょうどいい』という考えもあります。例えば、大好きな趣味を持っていて、できることなら人生の大半を趣味に捧げたいと思っている人などがそうです。

あるいは、心のどこかで

  • 正社員になると大変そう、あんなにコキ使われて…
  • 正社員になると自分の時間を犠牲にしなければならない

そんなイメージを持っているのかもしれません。

いずれにしても、ぶつくさ言いながらも、実は自分の意志で働き方を選択している人が多いのです。

では、あなたは主体的に今の働き方を選択しましたか?

「いいえ」と答えた方も安心して下さい。それは、今の自分に合った働き方を知らないだけです。

ここからは、読み進めながら頭を整理し、自分に合った働き方について考えていきましょう。

『働き方選択の自由』にも落とし穴が!?

働き方を自由に選べるようになった一方、その裏側では、現場レベルで課題も出てきています。

例えば、パートだろうが派遣だろうが、自分のライフスタイルに合わせて働き方を選んだだけなのに・・・

  • 「アルバイトのくせに」
  • 「だから派遣は困る」
  • 「正社員なんだから」

など、本質からズレた発言が現場レベルではよく飛び交っているのです。

パートとアルバイトはどっちが上なのか?、契約社員より派遣社員の方が下であるとか、正社員が一番上だとか、働き方を上下関係を表すモノサシのように捉えている人は少なくありません。

事実、、、その見えない上下関係に苦しんでいる人たちが大勢いるのです。

自分の選んだ働き方によっては、職場のルールが理不尽に強いられることも多々あるんですよ。

例えば、正社員には「面白そうな仕事」「楽しそうな仕事」が回ってくる。一方、正社員以外には「常に雑務」しか回ってこない。

他にも、正社員じゃないと残業させてもらえない(給料は低いまま)。一方、正社員は残業を強いられやすい(給料は高くなるが体力的に厳しい)など、自分の選んだ働き方によって扱われ方も違うわけです。

正規・非正規で働く人たちの”とんでもない思い込み”とは?

実際に、派遣社員の人たちから相談をよく受けますが、

  • 正社員よりも期待されない存在
  • 正社員よりも頼りにされない存在
  • 正社員よりも評価されない存在

そんなふうに肌でひしひしと感じている人も多く、派遣社員の人たちからはこんな言葉も往々に飛び出してきます。

  • 「私は、ここまでの仕事しかできません!しません!」
  • 「そもそも私はAの仕事をするということで採用されていますので、Bの仕事までは…」

などと、自分の仕事の範囲をハナっから限定しているのです。

そのため、正社員の人たちには、派遣されてくる人たちがこんなふうに見えているのかもしれません。

  • 「派遣社員の仕事に対する意識は低い。やっぱり直雇用(契約社員・正社員)の人でないと…」
  • 「派遣社員は頑固。仕事の範囲を自分で決めて融通が利かない」
  • 「だから、期待しにくい、頼りにくい、評価しにくい」

…と。

また、同じ派遣社員であっても、「かつて正社員の経験がある人(Aさん)」と「派遣の経験しかない人(Bさん)」との間にも差を感じたりするようです。

過去に正社員の経験があるAさんの方が、Bさんよりも仕事への取り組み姿勢が前向きで、社内外とのコミュニケーション力にも優れ、お休み連絡の仕方ひとつとってもデキが全然違うと言うのです。

非正規で働く人たちが「どうせ頑張っても評価されない」と思う気持ちも理解できます。わざとデキない人を演じてい人がいることも知っています。

しかし一方では、たとえ派遣社員であったとしても、見返りを求めず献身的に頑張っている人は、会社から「正社員になって欲しい」とお願いされることもあります。

たとえ非正規で働いていたとしても、卑屈にならず仕事に献身的に取り組み続けることができれば、決して大げさではなく『非正規で働いている人の未来はガラリと好転する』のです。

また、雇用形態に関係なく仕事に全力投球できている人の多くは、次のような現実的な問題にも目を背けずに、きちんと向き合っています。

例えば、

  • 親の介護が必要になった時、施設を利用するお金が用意できるか?
  • 子供がいる場合、今後の教育費に不安はないか?

などです。

やがて訪れるであろう現実的な状況を無視し続けるわけにはいきません。

だからこそ、「これからの働き方をどうするのか?」というテーマと真剣に向き合い、今の自分の働き方が◎なのか、△なのか、×なのかを改めて考える必要があるのです。

【実例】「正規」と「非正規」の待遇の差は?

以前、製造業の会社で派遣社員(非正規)として働く37歳のRさんから、貴重なお話をお聞きしました。

Rさんは、2年前まで同じ製造業の会社で正社員(正規)として働いていましたが、家庭の事情(引っ越し等)でやむを得ず退職。

新天地で別の正社員(正規)の職を探しましたが、なかなか見つかりません。

正社員(正規)だった頃の待遇と現在の派遣社員(非正規)の待遇との差をRさんは切実に話してくれました。

給料の差

「とにかく、給料が低い…」

Rさんは困った様子で話します。

Rさんの勤務状況は、勤務日数が週5日、勤務時間は9:00から18:00でお昼休憩は1時間です。

時給は地域や職種にも大きく左右されますが、Rさんの時給はおよそ1,300円。日給にしておよそ10,000円です。

月に平均19日から20日間勤務で月給は20万円ほどになるので、一見するとそこまで悪くはないように思えますが、交通費込み(約8,000円)な上に、社会保険料も引かれるため、実際の手取り金額は16万円程度まで下がるそうです。

幸運な事に毎日働けてはいるものの、それでも正社員だったころの給料には到底およびません。

厚生労働省による調査結果を見ても、正規と非正規の給料には歴然とした差があり、20代の頃はそれほど大きな差は見られません、30代・40代と年齢が高くなるにつれて大きくなっていくことがわかります。

その実態からは会社側の考えも透けて見えます。まだまだ会社側は、非正規で働く人たちを「一時的」「臨時」の労働力と考えているところがあるのでしょう。

非正規という働き方は「自分の能力を伸ばし、結果を出していけば賃金が上がる働き方」ではなく、『年齢に関係なく、同じような仕事を同じような賃金で一定期間やり続ける働き方』となっているのが実態なのです。

保険料の差

老後の生活の杖とも言える「年金」、万が一の病気の時に支えとなる「健康保険」。これらの保険料においても、正社員だった頃との優遇の違いをRさんは実感しているそうです。

「派遣社員になった当初は、給料が減ったのに保険料が上がったんです。あの時は本当にキツかったですね」

Rさんは、「おかしな世の中ですよね?」と言わんばかりの表情で胸の内を明かしてくれました。

派遣社員の社会保険は、派遣会社で加入する事になります。

しかし、働く期間によって社会保険適用の有無が規定されており、Rさんの場合は「6ヶ月間を超えて継続して働くこと」が社会保険適用の条件でした。

今ではその条件を満たし、社会保険を適用されているRさん。しかし、派遣社員として働き始めた当初は、臨時的な仕事を回される事が多く、勤務も1日6時間で週3日、さらに働く期間も短かったこともあり経済的な不安はかなり大きかったそうです。

その当時は国民年金と国民健康保険に加入していましたが、正社員の時は、厚生年金と会社が加入していた健康保険に入っていたため、保険料の半分は会社側が負担してくれていました。

そのため、いさ保険料を全額自己負担で払うとなった時、将来の不安を拭えなかったとRさんは話します。

将来の年金受給額の差

厚生年金と国民年金では、将来受け取る額に大きな差が出てきます。

「確か、国民年金よりも厚生年金の方が断然お得なんですよね?」と不思議そうに話すRさん。

損得の議論はできない面もありますが、厚生年金は『全ての国民が加入する国民年金に上乗せする形の年金』であるため受け取る総額が多くなる、というのは確かです。

国民年金には上乗せ分がないため受け取る年金の額も少なくなってしまう、その点が厚生年金のほうがお得という論理になるのでしょう。

ただし、非正規で働いていても、Rさんのように「働く日数」や「働く時間」によっては、正規で働いている人と同様の厚生年金や健康保険に加入できるケースも往々にしてあります。

加入の権利があるのにも関わらず、それを知らず(知らされず)に加入していない人もいるようですので、損をしないためにも、勤務日数や時間を正確に把握し、加入する権利の有無を雇用元に確認していくことが大切です。

他にも、注意しておくべき重要な点があります。

今の日本は、一度でも非正規で働くと、その後に正規で働くことが難しくなる傾向があります。(※但し、初職が正社員であった場合は、途中で非正規になっても、また正社員で採用されやすい傾向もあります)

仕事を通じて生きる喜びを感じることが大切

お金のために仕事をする。そういう考えが間違いであるとは思っていません。

しかし一番大切なのは、仕事を通じて生きる喜びを感じることではないかと思うのです。なぜなら、多くの人が人生の大半を仕事に費やすわけで、仕事以外の何か別の目的のためだけに、単なる手段として仕事をするのは賢明ではないように思えるからです。

人から必要とされる、頼られる嬉しさ。ワクワクと心躍るような仕事に従事できる幸せ。責任の重さもあるけれど、成し遂げた時の感動もひときわ大きいものです。

今のあなたが仕事を通して幸せを実感できる働き方を選ぶ

もし今のあなたが非正規で働いていて、正社員に対して

  • 正社員になると大変そう、あんなにコキ使われて…
  • 正社員になると自分の時間を犠牲にしなければならない

と思っているのなら、ちょっとだけ見方を変えてみるのもいいでしょう。もちろんその逆もしかりです。

例えば、正社員だから大変そうなのではなく、その正社員の効率(やり方)が悪いだけなのかも?正社員の方が実は休みが取りやすいのでは?、そんな見方をしてみるのも面白いかもしれません。

Rさんいわく、非正規の場合、お休みを申請するたびに「いつ切られるか分からない」という恐怖がつきまとうのだそうです。また、仕事に非効率なプロセスがあると感じても、非正規という立場的な負い目を感じ、結局は改善意見せずにフラストレーションを抱えてしまうこともあるのだとか。

「私は正社員になんてなれない(なれるものならなりたいけど…)」

今のあなたがそう思っているのなら、それは正社員になれないのではなく、正社員になりたくないという気持ちがどこかにあるだけなのかもしれません。

一方、今のあなたが正社員である場合は、本記事内容を参考に「今の働き方の選択が本当に自分に合っているのかどうか 」を改めて考えてみて下さい。

いずれにしても、これを機に改めて自分の働き方を見直し、自分にとってのより良い働き方を見つけてもらえれば嬉しいです。