2ページ目:【働く女性悩み相談】ある日突然、私は新入社員に対するパワハラの加害者にされた。

大森篤志からの回答内容

8ヶ月間にも渡り「針の筵、四面楚歌」の状態が続いたのですね。心の休まらない日が続き(かなり長く感じられたと思います)、「このまま暗闇(絶望)の中から抜け出せないのではないか」という不安に襲われることもあったのではないでしょうか。

それにしても、「何の調査もしない(根拠がない)うちからパワハラ加害者扱いされた」というのが事実であれば、それは明らかに会社側の落ち度です。

結局ぽんちゃんによるパワハラは認められず、親会社は「子会社(ぽんちゃんの在籍する会社)の調査は不適切だった」と正式に評価したわけですから、ぽんちゃんは”会社側から相応の優遇措置を受けてしかるべきである”と考えるのが一般的だと思います。

ただし、仮に会社側が”相応の優遇措置”を考えていたとしても、ぽんちゃんがそれを受け入れられる状態になければ講じることは出来ません。ぽんちゃんがうつ状態になってしまった以上、会社側としては『従業員を休職させ経過に応じて適切な職場復帰支援を行っていくことが最優先の責務であった』ことも確かでしょう。

職場復帰支援における細かい規定やルールについては会社ごとに決められ判断されていくものなので、一般的な”職場復帰支援の流れ”から大きく逸脱することがなければ、一概に何が差別に当たるかを問うのは正直かなり難しいと思われます。

職場復帰支援に関しては、次のように大きく5つのステップで行われるのが一般的です。一度じっくり目を通してみて下さい。会社側からの目線が加わった冷静な視点で現状を確認することが出来ますよ。

  • 第1ステップ:病気休業開始及び休業中のケア
    ・従業員から病気休業診断書の提出を受ける
    ・事業場内産業保健スタッフ等(産業医、衛生管理者、保健師、キャリアコンサルタント、人事労務管理スタッフ等)によるケア(面談等)
    ・従業員に対して「本人不在時の職場状況」や「職場復帰支援に関する仕組み」などの情報提供を行う
  • 第2ステップ:主治医による職場復帰可能の判断
    ・従業員からの職場復帰の意思表示と職場復帰可能の判断が記された診断書の提出を受ける
    ・産業医等による精査および主治医への情報提供
  • 第3ステップ:職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援プランの作成
    ・従業員の職場復帰に対する意思の確認
    ・産業医等による主治医からの意見収集
    ・従業員の状態等の評価
    ・職場環境の評価(職場の人間関係に関わる問題点なども含む)
    ・職場復帰の可否についての判断
    ・職場復帰支援プランの作成(職場復帰日、管理監督者による就業上の配慮、人事労務管理上の対応など)
  • 第4ステップ:最終的な職場復帰の決定
    ・従業員の状態の最終確認
    ・就業上の配慮等に関する意見書の作成
    ・事業者(会社側)による最終的な職場復帰の可否決定
  • 第5ステップ:職場復帰後のフォローアップ
    ・疾患の再燃・再発、新しい問題の発生等の有無の確認
    ・勤務状況及び業務遂行能力の評価
    ・職場復帰支援プランの実施状況の確認
    ・治療状況の確認
    ・職場復帰支援プランの評価と見直し
    ・職場環境等への改善
    ・管理監督者、同僚等への配慮

出典:厚生労働省『心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き』

いかがでしたでしょうか。

会社側から「ぽんちゃんが不在の時も現場は順調に回っている」という説明を受けたのは、単に第1ステップの内容(従業員に対して本人不在時の職場状況の情報提供を行う)が遂行されただけと考えるべきでしょう。

また、ぽんちゃんは会社側からの「職場に私のする業務はない」という説明を「おばちゃんは要らない」という意味で受け取られておりましたが、それも単に『これから戻ってもぽんちゃんに与える仕事がない(仕事が余っていない)』という職場状況の説明だったのかもしれません。

しかし、企業側が職場復帰支援を行う際の原則は、ぽんちゃんを元の職場で復帰させることにありますので、ぽんちゃんの同意なく強制的に出向させられるという場合であれば問題提起は可能かと思います。

この機会に次のような点も振り返ってみて下さい

「独り暮らしも、引っ越しもしたことがないと伝えてある」というのは、「出向や転勤は出来ないとハッキリ伝えてあり会社側に受理されている」ということなのでしょうか。

それとも、文字通り「独り暮らしも、引っ越しもしたことがない」とだけ伝えてあるのでしょうか。

もし前者であれば、出向を命じられる前に話し合いの場が設けられるのが一般的ですが、もし後者であれば、出向への配慮がなされずに進められてしまった可能性もあります。

それと、内容を拝見する限り「会社が出向を発令後、1ケ月の猶予期間と3日間のリハビリ出勤」というのが現状のようですが、このあたりも会社によってマチマチのため(試し出勤制度等は法令で実施が義務づけられているわけではないため)、”一般的にアリかナシか”という判断を下すのは難しいと思われます。

1ヶ月の猶予期間内での調整、例えば「猶予期間を15日間、リハビリ出勤を15日間」という形で比率を調整するお願いであればおそらく可能だったかもしれませんが、1ケ月の猶予期間を経過した後のリハビリ出勤の申し出となると状況的にも少し厳しくなるのは想像に難くありません。

また、猶予やリハビリの期間というものは、ぽんちゃんの精神状態が芳しくなければ「延長」ではなく『中止』することが適切な企業側の判断となります。

ぽんちゃんが今、”いろいろなことを急に命じられたように感じて適応できない状態である”ことは理解できます。一方、発令された出向のポジションがこのまま確保され続ける保障もありません。

いずれにしても、現状を正確に理解しなければ解決できない問題ですよね。

まだまだ『ぽんちゃんと会社側とのコミュニケーションが足りない』のは明らかです。面談等を調整中とのことですので、その対応は賢明だと私は思います。面談の際は、なるべく感情的にならず、建設的な話し合いを心がけて下さい。それが出来れば最善の道が見つかるはずですよ。

万が一、双方向のコミュニケーションが困難であると確信した場合は、退社する覚悟を持って労働基準監督署に相談してみることも一つの方法です。会社側のパワハラと判断されれば労災認定してもらえる可能性もあります。一人で抱え込まず、使えるリソースにも目を向けてぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

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