相談:女性上司から耳を疑うようなことを言われた。
相談者:Sさん
自分の気持ちを落ち着かせることができずにいます。どうか話を聞いてください。
先日、会社の近くで不審者の目撃があり、警察官数名が近辺を調査し解決に至った騒動がありました。
このこと自体は大して問題にはならなかったのですが、この不審者の件で私とは部署の違うある女性上司が耳を疑うようなことを私に言ってきたのです。
私の腕をつかんでゆさぶり、楽しそうに笑いながら「その不審者って、あなたのお父さんじゃないの?」と。
何が楽しいのか、どうしてそういう揶揄をできるのか、自分が言われる側であっても笑っていられるのか…言われた直後は怒りや悲しみよりも驚きが大きくて、「違いますよ」とどうにかその場をやり過ごしましたが、後から怒りや悲しみが驚きを上回って感情のやり場がありません。
ただの冗談だよ、頭が固いなあ、そんなことでいちいち腹を立てなくても…と思われるかもしれませんが、「どうして私の父親が不審者という話になるのか、どうして私が今回の件の関係者のように扱われなくてはならないのか」と理解に苦しんでいます。
「あれあなたのご主人じゃないですか」と笑って同じように言ってやればよかった、とぐるぐるモヤモヤしてしまうのです。
その女性上司とは日頃たびたび顔を合わせますが、会話をするのは仕事上必要なことのみといった薄く浅い関係です。
年齢も30ほど離れており、冗談を言い合うような関係では全くありません。まして腕をつかまれることなど今まで一度もなく、同性とはいえ、急にどうしたのか、といった動揺もありました。
その日はどうにかやり過ごしましたが帰宅し、職場から離れると悲しくて悲しくて、母親にでも聞いてもらいたいとも思いましたが、すでに他界している自分の伴侶を自分の知らないところで、まったく交流を持たない赤の他人にこんな扱いをされたなんて知ったら私以上に傷つき悲しむだろうと思い、話すことはできませんでした。
この女性上司とは毎日顔を合わせます。会社自体小さいので、部署を変えるということもできません。関わりたくなくても逃げ場がないのです。
転職をと考えたところで私もそこそこ歳を重ねているので、学歴もない中年女性がそうそう中途で正社員として雇用してもらえないのもわかっています。他の上司に相談したところで、下手をすれば自分が解雇されるだけだというのも理解しています。
冗談で済ませることができなかった私が悪いのでしょうか。
今後もこういう事を言われ続けるのか、そのたびにこうして耐えなくてはならないのかと思うと息が詰まってしまいます。
(***ご相談内容は一部編集しております***)
(本記事は、当サイト「働く女性無料相談窓口」より、働く女性から寄せられたご相談にお答えする内容となっております。)
ご相談に対するアドバイス
こんにちは、BPLaboです。
Sさん、ご相談ありがとうございます!
それでは、回答させて頂きますね。
大森篤志からの回答内容
自分を責めない
世の中には言って良い事と悪い事があります。根拠なく自分の父親を悪く言う女性上司(以後、Aさん)を「ただの冗談」「悪ふざけ」として受け流すことは難しいですよね。
今回のAさんの言動はハラスメントに該当する可能性があります。本来であれば会社側も対処していく必要のある問題ではないか、と私は思います。
怒りや悲しみが抑えられず今も自分の気持ちを整理できないでいるSさんを、私は「頭が固い」「そんなことでいちいち腹を立てなくてもいいのに」などと思うことは少したりともありません。
もし同じことをされたら、良識ある社会人の多くが、Sさんと同じような気持ちになるはずですよ。
結論を急がない
心を傷つけられた側のSさんだけが会社を辞める、これは決してあってはならないことです。
関わりたくない相手と毎日顔を合わせなければならない今の状況から逃げ出したい気持ちがあることは十分に理解しています。ここで今ポンと新しい社会に放り出されても困ってしまうと頭ではわかっているけれど逃げ出したい気持ちも強い、そういう葛藤があり苦しんでいることも。
しかし、勢いで今の会社を辞めてしまうと後悔すると私は思います。なぜなら、心が混乱して気持ちの整理がつかない時に大きな決断をして良い結果になった女性を私はあまり知らないからです。むしろ「時間を巻き戻したい…」と唇を噛んで悔しそうにする女性を私はたくさん見てきました。
怒りや悲しみの感情が溢れている時に大きな決断をしてはいけません。自暴自棄になり焦って結論を急がないで下さいね。今は無理に動こうとするのではなく、“時の流れに身をまかせてみる”ことが功を奏すかもしれませんよ。
今は感情がどんどん湧き出てくる状態
今はまだ怒りや悲しみの感情がどんどん湧き出てくる状態なのでしょう。感情が鎮まるまでにはもう少し時間が必要なのです。
Sさんがご自身のことを「そこそこ歳を重ねた中年女性」と仰っていること、SさんとAさんの年齢が30ほど離れていることを考え推測すると、間違いなく“そう遠くないうちにAさんは退社を余儀なくされる”と思うのですが、いかがでしょうか。
もしそうであるなら、時間を味方にしながら毎日を工夫して切り抜けていくことも同時に考えてみて下さい。
相談するときの留意点
宜しければこちらの記事も合わせて読んでみて下さい。相談の心構えや注意点、準備しておくこと等、参考になると思いますよ。
【職場相談】自分の存在が無視されています。これはモラハラ?“上司のハラスメントに悩む部下が、そのことを相談・主張したために解雇される”ということは通常考えられません。(※部下側の虚偽による訴えによって会社のイメージが著しく低下した等、特殊なケースは除く)
万が一それで解雇されるようなことがあれば不当解雇の可能性もありますので、弁護士等の専門家に相談し速やかに対応したほうが賢明でしょう。