大森篤志からの回答内容
なるほど。気にすると増々苦しくなりますよね。
コンプレックスをプラスに働かせるためには、まず『自分のコンプレックスを認める努力をする』ことから始める必要があります。
「認める」というのは、たとえどんなに嫌な自分であっても『それも自分であると受け入れる』ということです。
かくいう私にも、3歳年下の実弟よりも背が低いというコンプレックスがありました。
私の弟は181センチあり(もっとあったかな?)、兄の私とは10センチ近い差があります。2〜3センチ程度の差ならそこまで気にしていなかったと思いますが、10センチくらいになると嫌でも周りからコンプレックスを持たされてしまうものです。
実際、子供の頃からずっと「私が弟に、弟が兄に」間違えられ、私はいつも「兄は俺なのに…」と心の中で叫んでいました。自分を否定されているようで嫌だったのです。
そのことで、弟の隣に並ぶことを徹底して避けていましたし、弟も私を気遣ってなのか段々と猫背になっていきました。
しかし、見た目はどうであれ『私が兄であることは変えようのない事実』です。そう何度も自分に言い聞かせ、その事実を受け入れてからは、弟の隣に立って一緒に写真を撮れるようにもなりました。兄に余計な気遣いをする必要がなくなったためか、弟の姿勢も良くなりましたよ。
自分のコンプレックスを隠そう隠そうとしているうちは『自分も、自分と関わる周りの人たちも不幸にする』ということがよくわかりました。
コンプレックスを隠し、その事実を呪うのではなく、あえて堂々と披露する。披露すると言うと少し大袈裟かもしれません。しかし、隠してしまいたい気持ちを振り切って、むしろ吹っ切れた感じで堂々と披露してみると、不思議とどんなコンプレックスも『自分の個性へと還元されていく』ものです。
見た目であれ、性格であれ、ハルさんがコンプレックスと思っていたことが、すべてハルさんの個性になり、プラスに働き始めるでしょう。
いずれにしても、コンプレックスを自分に与えられたものと受け入れて上手に付き合っていくほうが断然ラクですよ。コンプレックスは、言い替えれば『ハルさんだけの個性』なのですから。
「なにか困ってるの?」と心配されたら、『生まれつきこういう顔なの。意外かもしれないけど得する顔つきなのよ。こうやって心配してもらえたり、助けてもらえることも多いしね』と答えるようにしてみて下さい。
どんな顔であっても自分の顔は自分の一部であることを認め、受け入れて、「誰がどう思おうと関係ない」と堂々たる態度を示し続けていれば、自然と顔の表情も変わってくるはずです。
実際の見た目にも困り顔とさよなら出来る日は遠くないと思いますよ。