個別のご相談はコチラから

【職場パワハラ相談】転職先の上司がパワハラ。対処法を知りたい!

働く女性の無料相談・回答

大森篤志からの回答内容

転職者を「よそ者扱い」ですか…。これだけ出入りの激しい時代になっても、そういう感覚を持つ上司はまだまだいるようです。時代についていけない上司の元で働かなければならないというのは、本当にしんどいことでしょう。

早速ですが、上司のパワハラ対策をご紹介致しますね。

上司によるパワハラは、職場において「部下を指導する」という大義名分を振りかざし、怒鳴ったり、威嚇したりという分かりやすい形で表れる場合が多いため、事前に立てておいた対策は十分に活かせると思いますよ。

1. パワハラ上司の言動を記録しておく。

多くのパワハラ被害者は、自分がパワハラを受けていると確信するまでに結構な時間を要しているのが実情です。「これはパワハラだ」と初めて確信した時、同時に「実は、ずっと以前からパワハラを受けていた」ということにも気づくことが多いのです。

まさしく、『今思えば、転職して半年を過ぎたあたりから急に風当たりが強くなった感じがします。』というナミさんの言葉通り。ナミさんが上司のパワハラをちゃんと自覚されたのは、ここ最近のことかもしれませんが、実は「すでに1年半以上もの間パワハラを受けていた」可能性があるわけです。そんなナミさんを察するに、以前から受けてきたパワハラの事実は記録してこなかったのではないでしょうか。

パワハラを受けている自覚がある以上、これからの記録は必須です。パワハラに限らず、不当な扱いをされたり、理不尽な指示命令を受けた際には、日記帳やメモなどに詳細を書き留めておくといいですよ。その場ではパワハラかどうかを自分で判断することが出来なくても、ナミさんが不快に感じた相手の言動は詳しく記録しておきましょう。

小さなことかもしれませんが、後々になって受けた行為がパワハラであると判断された場合は、以前からの記録が大きな効果を発揮することになります。

記録の仕方にマニュアルがあるわけではありませんが、以下のような点に留意しておくといいでしょう。

  • 加害者をハッキリさせる(名前は?どのようなポジションの人か?年齢は?性別は?など)
  • 日時を正確に記録する(何年何月何日何時何分にパワハラを受けたのか?など)
  • 背景や状況をハッキリさせる(どのような状況で?何がきっかけで?場所はどこで?他に誰がいたか?など)
  • パワハラの言動を記録する(どんな言葉で?どんな態度で?どんな声の大きさや表情で?など)
  • 「メモ」+「レコーダー」で記録する(音声記録があるとメモの信憑性が劇的に高まるため)
  • 診断書を用意する(ストレスによって身体に異常が出た場合の証明になるため)
  • ツールを使ったやり取りの内容は残しておく(メール、LINE、電話の履歴、留守番電話の記録など)

「パワハラを受けた時に出来るだけ詳細な記録をとること」が一番大事です。記録をとっているだけでも、気持ちが整理されてスッキリするという効果もありますよ。

2. パワハラ上司にガツンと意見してみる。

多くのパワハラ上司は、自分の言動が部下の心を傷つけると知りながら、あえて部下を叱責する傾向があります。部下の顔を見て、困ったり、落ち込んだり、泣いたり、傷ついたりしているかを確認しているのです。そして、部下の様子を伺いながら「この程度ならまだ大丈夫」「もう少し厳しくしよう」などと考えています。

パワハラ上司の行為をエスカレートさせてしまう要因の一つは、『部下が何も言わない』ことです。

上司の言動がどんなに不条理でも、リアルな現場では「抵抗しない部下が多い」ものです。むしろ、「自分が悪かった」と自責する部下ばかりではないでしょうか。また、反論しても潰されるだけと「抵抗することを諦めている」ところもあるのでしょう。

もしナミさんが「上司に抵抗なんて無理!」と思うなら、それは『言い方の問題』だと考えてみて下さい。相手が上司ともなれば、「それはパワハラです!」とハッキリ拒絶の意志を示すのはなかなか難しいものです。

それなら「ソフトな言い方なのにガツンと伝わる」方法を考えましょう。

試しに、「その言葉はパワハラのように感じて怖いです」と自分の気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか。

「それはパワハラです!」と決めつけるのではなく、あくまでも「パワハラのように感じます」と気持ちを伝えるのがポイントですよ。じんわり伝わるはずです。

上司といっても組織人、少なからず「部下にパワハラと認識されることは会社的にマズイ」という不安はあるはず。その心理を突き、「もうこれ以上は強く叱責できないな」と思ってもらうことが狙いです。

3. 社内に味方をつくる。

ナミさんに「上司からパワハラを受けている」という感覚があるのなら、同じ職場内にナミさんと同じような感覚を持っている人がいる可能性は高いです。

ナミさんと同じようにパワハラ被害を受けた経験がある人や、直接的な被害経験はなくても「客観的に職場内のパワハラを感じている人」「上司がパワハラ行為をしているところを見たことがある人」もいると思います。

いずれにしても、「上司のパワハラは不快だ!」「職場からパワハラをなくしたい!」と思っている同士は意外と身近にいるものです。まして仲の良い同僚の方もおられるようですから、同士を募ることを難しく考える必要はありませんよ。仲間と一緒にパワハラ対策を考えることが出来れば、実際の行動も起こしやすくなるのではないでしょうか。

一人だけで悩み続けてしまうと、その行き着く先は「泣き寝入りするか、会社を辞めるか」になってしまうことも少なくありません。

パワハラ問題を解決しようと思うなら、一人より二人、二人より三人です。味方が多いに越したことはありません。

4. 会社内の窓口を利用する。

より手っ取り早くパワハラ上司に圧力をかけたいなら、パワハラ上司よりも上の立場の人に相談するのが一番です。しかし、上同士が密接につながっていることもありますのでご注意下さい。上同士のつながりをチェックしたうえで、相談するべきか判断したほうが賢明でしょう。

「どうしても上には相談できない」という場合、ナミさんの会社に「コンプライアンス課題を把握する部署や窓口」がある場合は、ぜひそちらを利用しましょう。

企業コンプライアンス専門の部署や窓口であれば、少なくとも人事・総務部などへ相談するよりは「社員の相談内容が上司に筒抜けになるようなリスクは低い」と思います。

もし、そのような部署や窓口がない場合は、人事・総務部より先に「組合」へ相談する方がいいかもしれません。なぜなら、人事・総務部よりも組合の方が「もみ消されるリスクが低い」からです。但し、組合があっても会社によって組合の組織力(影響力)には違いがあります。そのあたりも念頭に置きながら、過度な期待をせずに一度相談してみるといいでしょう。

会社に組合がない場合は、守秘義務の厳守をお願いしたうえで「人事・総務部」へ相談してみて下さい。もちろん、親身になって改善に取り組んでくれる「人事・総務部」もたくさんありますから。

5. 感情的にならない。

コンプライアンス専門の部署や窓口、組合、人事・総務部、またパワハラ上司のさらに上司に相談をする際は、これまでの記録を提示したうえで報告しましょう。

そして、報告の際に大事になってくるのが『感情的にならない』ことです。

ようやくパワハラ相談が出来る!という時、これまでずっと我慢してきた気持ちが溢れ出てしまうことがあります。しかし、報告中に泣き出してしまうようでは相手に何も伝わりません。冷静さを欠いて感情論が中心になってしまうと、ナミさんにも何らかの問題があるのではと返って疑われてしまいます。

『パワハラ問題を解決させるには、パワハラ上司に対してナミさんが何を望んでいるのか、会社への要望は何かを正確に伝え、これから具体的にどう対処していくか建設的に話し合う必要があります。』

冷静な態度で相談するためにも、深呼吸をして気持ちを落ち着かせておきましょう。

6. 会社外の窓口を利用する。

会社内の部署や窓口で解決できない場合は、「会社外の窓口を利用する」という手段もあります。

念の為に、厚生労働省等が設けている職場のパワハラ関連相談機関を以下にご紹介しておきますね。

国が主体となっている窓口ですから、安心して気軽に相談してみるといいと思います。

社内にパワハラの相談が出来る仲間、部署や窓口がない時、たいていの人は絶望し、早々に会社を辞める選択をしがちです。

納得して会社を辞めるのであればそれも良しですが、もしそうでないのなら社外に目を向ける必要も出てくるでしょう。

と、最後に重要ポイントを1つ。

パワハラ上司の対策は次の6つです。

  1. パワハラ上司の言動を記録しておく。
  2. パワハラ上司にガツンと意見してみる。
  3. 社内に味方をつくる。
  4. 会社内の窓口を利用する。
  5. 感情的にならない。
  6. 会社外の窓口を利用する。

しかし、4番以降の対策は、ナミさんが『会社を辞めてもいい覚悟』で行う必要があります。

今のまま仕事を続けていきたいということでしたので、今のナミさんに必要な対策は「3番まで」でしょう。

3番まででは一向に改善されず「辞める覚悟で訴えたい」という状態になったなら4番以降の対策を遂行。それでも「対策・対処方法が効かない」「どうしても耐えられない」「このままでは自分がおかしくなってしまう」と思ったら、最終手段は退職をすることです。

心身の健康があってのナミさんの人生です。ナミさんがダメになってしまう職場に人生を捧げてはいけません。最後は必ずご自身を守って下さいね。