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大森篤志からの回答内容
まずは一言、まーちゃんさんにどうしても言いたいことがあります。
何となく大学に進学して、とりあえず就職する。そんな学生たちは就職氷河期の今でも決して少なくありません。いえ、むしろ多いのではないでしょうか。
転職癖のある方々のお話もよく聞かせて頂きますが、「とりあえず就職したことがツケになって返ってきた」と嘆く方は結構多いんです。
まーちゃんさんの姿勢は、そのリスクを減らすことになるはずですよ。
「焦る必要はない」と考える。
ちなみに、まーちゃんさんはアルバイトの経験はありますか?
仕事の向き不向きを判断する場合、実は「アルバイト経験がほとんどない学生は圧倒的に不利」と言えます。
まーちゃんさんが、これまでの学生生活の合間をぬって1つの仕事を半年以上の長期で「3つも4つも経験済みです!」と言うのなら話は別ですが、もしそうでないのなら現時点で自分の向き不向きを決めつけてしまうのは賢明ではありません。なぜなら、向き不向きの判断材料が少なすぎるからです。
例えば、新社会人になると「まずは3年」などとよく言われますが、それは「経験のない者は、とりあえず何でもやってみなければ本当の向き不向きを判断できない」という先人の教えからです。事実、少ない回数や短い期間で判断しようとすればするほど進路判断を誤りやすく、転職に失敗してしまう例も少なくありません。
まーちゃんさんは、『今の時点で焦ってハッキリさせようとする必要はない』と考えてみてください。本回答を読み進めながら、深刻に考えるよりも「ワクワクしながら未来の自分をイメージ」していきましょう。
自分のキャリアデザインを考えてみる。
キャリアデザインとは、主に『働くという部分に焦点を合わせて人生プランを立てて行動していくこと』です。わかりやすく、次の3つで考えてみるといいかもしれません。
1)『働き方』はどうするのか?
まず、高校卒業と同時に仕事を始めるのか、専門学校や短大、4年制の大学に進学してから仕事を始めるのかを考えます。
子供を持つことが前提なら、いつ頃に結婚して出産したいのか、それが20代なのか、30代なのか、あるいは40代に持ってくるのかで、まーちゃんさんの仕事への関わり方も違ってきます。
30代以上で子供を持ちたいと考えているなら、企業が積極的に育児休暇を取得させていたり、育児休暇後に女性が職場復帰している事例の多い大企業を目指すこともプランの一つです。
また、今は毎日の満員電車に揺られながら出社するのではなく、自宅で仕事をするスタイルも選択できます。早いうちに子供を持つことを前提にしているなら、そういう仕事スタイルを選ぶのも一つのキャリアデザインと言えるでしょう。
2)自分自身の才能を『好き、楽しい、得意』を基準に考えてみる。
キャリアデザインを考えるうえで軸になるのは、なにも子供のことだけに限りません。
まーちゃんさんが仕事で「どういうキャリアを積んでいきたいのか」についても本気で考える必要があります。静かな場所で真剣に自分自身と向き合ってみましょう。これまでの自分の人生を振り返って、次のようなことに思いを巡らせてみるといいですよ。
- 子供の頃、いつも◯◯するのが好きだったなぁ。
- 時間が経つのを忘れて◯◯に没頭してた時期もあったなぁ。
- 私の子供ころの夢って、何だったんだろう?何になりたかったのかなぁ。
- 今でも得意な◯◯は、小さい頃から得意なことだったなぁ。
- あの時の◯◯は本当に楽しかったなぁ。
- 何でだろう?私はいつも◯◯に惹きつけられちゃうんだよなぁ。
- 皆◯◯をイヤイヤ言うけど、私にとってはそうでもないんだよねぇ。
- 皆◯◯をキツイって言うけど、私には苦じゃないんだよねぇ。
まずは◯◯を埋めてみましょう。本気で自分自身を知ろうとすれば、ハッキリとまでは見えなくても、ぼんやりと方向性が見えてくるもの。
そのうちに、まずはセールスの分野を試してみるのか、ITの分野でいくのか、あるいは芸術・デザインなのか、仕事の方向性を自分で考えて自分で決めていけるようになるはずです。
3)自分自身に『出来ること』なら全て仕事になる。
自分自身と真剣に向き合っても「好きなことが見つからない」という場合は、次のように考えてみてはいかがでしょうか。
世の中の皆が「自分の好きなことだけ」を仕事にしていたら、現実の社会はうまく回りません。それでは社会全体に偏りが出てしまうからです。
表舞台で活躍する人もいれば、裏方で活躍している人もいます。人の嫌がる仕事をしてくれている人もいます。すべて世の中に必要な仕事ですよね。
世のため人のために必要なことであれば、個人の「好き」という感情とは関係なく行うのも仕事。そう考えられたら『人から必要とされている仕事で、まーちゃんさんに出来ること』にも目が向くはずですよ。
たとえ最初から「好き」という気持ちで仕事を選べなくても、やっているうちに好きになることもあります。出来ることをしていたら、もっと出来るようになって「楽しい!」と思えるようになるからです。
仕事自体には、良いも悪いもありません。まーちゃんさんが就いた仕事に「どんな思いを持つか」。それだけのことなのかもしれません。
おわりに
現時点で「最初からこの仕事しかない!」と決めつけたり、「好きな仕事が見つかるまではフリーでいく」などといった考えは必要ないように思います。
まずは、静かな別室に一人でこもって3時間じっくり自分自身と向き合ってみましょう。あっ、くれぐれも向き合いすぎてハマらないように時間を決めて行ってくださいね。