部下にポジティブな影響を与えるには、部下の『最優位感覚』の理解が大事!
※【最優位感覚】とは?
当学会では「視覚(V:Visual)、聴覚(A:Auditory)、体感覚(K:Kinesthetic)」という3つの感覚の中で最も優位に働いている感覚のことを『最優位感覚』と言います。
こんにちは、BPLaboです。
- 上司が部下のモチベーションを上げる
- 監督が選手の士気を高める
- 親が子供のやる気を引き出す
どれも「相手のやる気スイッチを押す」というコミュニケーション方法です。
「それがなかなか難しい、押せない…。」と言う方が多いようですが、それは『相手の立場に身を置いていないから』に他なりません。
あなたが「相手のやる気スイッチを押したい」と思ったら、まずは『相手の最優位感覚を知る』必要があります。なぜなら、「相手がどの感覚で物事を捉えようとするのか」を知らないままコミュニケーションをしても相手を動かすことは出来ないからです。
それでは、まるで主電源の切れているテレビにリモコンを向けて「いくら電源ボタンを押してもスイッチが入らない」と言っているようなもの。コンセントが抜けていることもあります。
相手の最優位感覚を知る方法
早速、『相手の最優位感覚を知る方法』をお伝え致します。
この方法には二通りの手段があります。一つ目は、相手の『言葉』から、二つ目は、相手の『仕草』から読み取る方法です。
相手の最優位感覚が『視覚(V:Visual)』である場合
『視覚(V:Visual)』が強い人には、言葉と仕草に次のような特徴があります。
「言葉」から読み取る
- 基本的に「早口」である(声のピッチが高い、あまり息をつかない、抑揚は小さい)
- あまり言葉を選ばない(言葉の使い方や細かい言い回しには頓着しない、言い間違えることも多い)
- 視覚的な表現(見た、景色がきれい等)を使って話すことが多い
「仕草」から読み取る
- 考え事をしたり、何かを思い返そうとする時に『視線を上へ向ける』ことが多い(顔を上げる、見上げるのも同じ)
- 考え事をしたり、何かを思い返そうとする時は『呼吸が浅くなる(荒い胸式呼吸をしている)』
- 手や指を細かく動かしながら話す(腕や全身を使った大きな動きではなく、手や指などの細部で小さな動きをする)
相手の最優位感覚が『聴覚(A:Auditory)』である場合
『聴覚(A:Auditory)』が強い人には、言葉と仕草に次のような特徴があります。
「言葉」から読み取る
- 基本的に「ほどよいスピード」で話す(早くも遅くもない、一定のテンポで話す、口調が明瞭かつ安定的で聞き取りやすい)
- 慎重に言葉を選ぶ(言葉自体の意味を大切にし、ニュアンスにも注意を払う。話にまとまりがある)
- 聴覚的な表現(聞いた、小鳥のさえずり等)や擬音語(しとしと、ポチャン等)を使って話すことが多い
「仕草」から読み取る
- 考え事をしたり、何かを思い返そうとする時に『視線を横へ向ける』ことが多い(頭を横に傾ける、顔を横に向けるのも同じ)
- 考え事をしたり、何かを思い返そうとする時でも『呼吸は一定を保つ(横隔膜から上全体で胸式呼吸している)』
- 話す時は、あまり手を動かさない(ボディーランゲージは小さいほうである)
相手の最優位感覚が『体感覚(K:Kinesthetic)』である場合
『体感覚(K:Kinesthetic)』が強い人には、言葉と仕草に次のような特徴があります。
「言葉」から読み取る
- 基本的に「ゆっくり」話す(太く低い声で、言葉を絞り出すように話す)
- 言葉数は少ない方である。話しても、あまり長文で話すことは少なく「短文をつなぎ合わせる」ように話す
- 体感覚的な表現(しっくりこない、つかめない等)や擬態語(さらさら、どっしり等)を使って話すことが多い
「仕草」から読み取る
- 考え事をしたり、何かを思い返そうとする時に『視線を下へ向ける』ことが多い(顔を下に向けるのも同じ)
- 考え事をしたり、何かを思い返そうとする時は『呼吸が深くなる(ゆっくりと腹式呼吸する)』
- 自分の身体に触れながら話す(指をポキポキ鳴らしたり、腕を揉んだり、太ももをトントンする等)
相手の最優位感覚にマッチしたアプローチ(使い方)をする
相手の最優位感覚を知ることが出来たら、次は「その使い方」です。
例えば、あなたが会社の社長や幹部、上司だとしましょう。ある女性部下を、あなたはひそかに自分の右腕にまで育てたいと考えています。
その彼女にはリーダーとしての素質があり、何より彼女自身も女性管理職には興味があります。しかし、どんな苦労でも嫌がらないというほどのやる気はありません。
彼女の最優先感覚が「視覚(V:Visual)」である場合のアプローチ方法
あなたの側に彼女を置いて一流の女性管理職としての仕事術を見せつける、いわゆる『見て習得しなさい』というやり方が有効と言えるでしょう。
すべてを言葉で誘導するよりも『背中で語る』ほうが効果的である場合が多いはずです。
彼女の最優先感覚が「聴覚(A:Auditory)」である場合のアプローチ方法
『言葉の響き』のほうが重要になってきます。例えば、部長クラスの人間から「社長が君を買っているらしい」と彼女の耳に入れる『間接的なアプローチ』等はかなり効くはずですよ。
あなたの熱意を直接彼女に伝えるのなら「女性が輝ける会社の先駆けと言われたい」などの『社会的な声援』を盛り込むことで彼女を引き込めるかもしれません。
彼女の最優先感覚が「体感覚(K:Kinesthetic)」である場合のアプローチ方法
あなたの熱意を『落ち着いて、ゆっくりわかりやすく、ときどき肩や腕に触れながら伝える』ことは必須でしょう。
最高のタイミングで「期待してるから」と腕を軽くポンと叩けば、彼女のスイッチをONにすることも出来るはずです。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
相手のやる気スイッチを押したいのなら、まずはあなたが『相手の立場に身を置く』ことから始めなければなりません。相手を知らずしてスイッチは押せないのです。