大森篤志からの回答内容
彼との結婚を心待ちにしていたのですね。その期待や希望が大きいほど、延期を言い渡された時のダメージも大きいもの。取り乱してしまうかなえさんの気持ちは十分に理解できますよ。
一方、彼もまた「昇進を心から望んでいた」わけですから、一番近くにいる良き理解者であるかなえさんに「昇進を断って欲しい」と言われた時の衝撃は計り知れないものがあったと思います。
厳しい言い方に聞こえるかもしれませんが、あえて男性目線でお伝えさせて下さい。
昇進は誰にでも平等に与えられるものではありません。間違いなくチャンスでもあるのです。
「入社して10年になる彼にやっと巡ってきた昇進というチャンスを断る」ということが、彼の今後にどのような影響をおよぼすかご理解されていますでしょうか?
おそらく、断れば今後“よほどの理由がない限り昇進の話が来ることはない”でしょう。もしかすると、二度と来ない可能性も十分に考えられます。
結婚前にどんな素敵な将来設計を描こうとも、結婚後の将来が計画通りに進むとは限りません。むしろ現実の結婚生活というものは、想定外のことが起き、それらを二人で乗り越えていくことのほうが多いものです。
「それは嫌だなあ」と感じる出来事が起こる度に乱心し、相手の考えをきちんと聴く前に自己主張してしまう。そんな一方通行のコミュニケーションを続けていたら、たとえ結婚できたとしても二人の関係は長続きしませんよね。
なにも彼が「結婚を白紙にしよう」と言ってきたわけではないのですから、落ち着いて下さい。冷静になってもう一度二人で話し合って乗り越えていきましょう。
まずは、彼の考えをしっかり聴くこと。
昇進して2〜3年踏ん張れば仕事も落ち着いてくるだろうし、早く仕事を安定させて結婚したほうが妻と子供を幸せに出来ると思っているのかもしれません。
現実では、旦那さんの出世の望みが絶たれている状態で子供の養育費が増えてきた時のほうが不安だと思いますよ。
「結婚ありき」「出産ありき」ということではなく、5年後、あるいは10年後もずっと幸せであり続けることを彼は考えているのかもしれませんよね。
かなえさんが彼の考えに耳を傾けずに自分のこと(不安など)ばかりを主張してしまうと、「仕事に理解のない女性を妻にすることは出来ない」と彼に愛想を尽かされる可能性もありますから気をつけましょう。
結婚とは現実的なもの。
かなえさんの一生のパートナーになるであろう人の将来を、かなえさんご自身の手で握り潰すようなことがあってはなりません。
結婚は「それは嫌、あれは無理」と感情だけで決めるものではなく、二人の置かれた現状から現実的に決めていくものだと私は思います。それには当然、お金も必要ですよね。
二人で話し合って決めた結論に従う
例えば、二人で話し合った結果「仕事が落ち着く2年後に結婚しよう」という結論に至ったのなら、それに従うことも選択肢に入れておいて下さい。どうしても延期を受け入れられないなら別れるという選択肢も。
あと10ヶ月に迫っていた結婚が延期されるのはツライことかもしれません。結婚まで”遠距離恋愛のような付き合い方になる”ことへの不安もあるでしょう。
それでも、結婚が白紙になったわけではありません。
「別れよう」ではなく『延期しよう』と言ってくれた彼に感謝して、二人の未来のために最善の落とし所を見つけて下さい。