大森篤志からの回答内容
「そのままでいい」「ありのままでいい」「自然体」「自分らしさ」などの言葉、たしかによく耳にしますよね。
せっかく私にご相談いただいたので、私の解釈をお伝え致しますね。
まず、重々承知の事と思いますが「好き勝手に立ち振る舞う」ことが「ありのまま」ではありません。それでは、単なる「ワガママ」になってしまいます。
私流の考えですが、「人が生きる」ということは『人生という舞台で主役を演じる』ことだと考えています。
つまり、ありのままの自分も、自然体も『(ちゃんと意識して)演じる』という話になるのです。
演じることは人間の自然な行動
「演じたら、自然じゃないじゃないか!」と青空さんに突っ込まれるかもしれません。
しかし実際は、自覚的かそうでないかは別として誰もが「こういう人間でありたい」と願う姿を演じて生きていますよね。
嫌われたくないから、本当は違うと思っていても言えなかったり。認められたいから、本当は自信がないけど背伸びして見せたり。バカにされたくないから知ったかぶりする時もあるはず。演じることは人間の自然な行動なんですよ。
「自分らしさ」とは
そもそも「自分らしさ」とは何なのでしょう。探せば見つかるものなのでしょうか。
ズバリお伝え致しますが「自分らしさは、いつか見つかる」と信じて自分探しをしているかぎり見つからないものですよ。
なぜなら、もともと「どこにも存在しない」からです。『なりたい自分を演じ続ける』ことで自ら磨き上げていくものだからです。
ただし、自然で無理のない心の状態をつくることが大切
なりたい自分を演じるうえで『過剰な演技演出は厳禁』です。
例えば、パッケージで人の目を惹いて商品を買わせる方法がありますが、パッケージと中身が大きく違ったらガッカリしますよね?
それと同じように『中身に見合った程度の演技演出をする』ことが大切だと思います。パッケージ無しのむき出しは困るけれど、100円の品物を5000円の豪華なパッケージで包むような真似はしてはいけません。
できないことに「できる」と見栄を張るのではなく、できるようになった自分(なりたい自分)をイメージして努力を続けている時が『実際には最も自分らしくいられる』ものです。それを自然体と呼ぶのではないでしょうか。
意識して観察してみると、周りから「自然でいいな」と見られている人ほど『なりたい自分になろうと努力している』ことに気づくはずですよ。
広く一般的な意味で使われている「何も考えないでボーっとしている自然体」は、自然ではなく『天然』と呼びます。また、冒頭でもお伝えしましたが「好き勝手に、ワガママに過ごす」ことも自然体とは呼びません。
どんな自分になりたいか(どうしたいか、どうするのか)を青空さんご自身で決めて、それに向かって演技を続けていく。そうしているうちに「自分らしく過ごせている自分」に気づくことが出来るのではないでしょうか。他人の目なんて気にならなくなりますよ。その状態こそが『ありのまま・自然体』なのだと思います。