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【相談】社長である夫と離婚したいが子供や従業員のことを考えると動けない

働く女性の無料相談・回答

相談:社長である夫のことが嫌いで嫌いでもう関わりたくない。離婚して会社も辞めたいが…。

相談者:Yさん

夫婦で会社を経営しております。

社長である夫のことが嫌いで嫌いで、本当にもう関わりたくないという思いが日々強くなっています。

夫がある日突然勤めていた会社を辞め「独立する」と言い出し、数千万円の借金を背負ってしまった以上、私も懸命に働くしかなく、まだ当時1歳だった息子を親戚中たらいまわしにしたり…。その頃を思い出すと泣けてきますが、まだその頃の方が良かったと思うほどに、いま苦しんでいます。

私は会社を経営することになるとは夢にも思っていませんでしたから、右も左もわからず、社長(夫)の言うことが正しいと信じ、どんなにひどい仕打ちを受けても、それは自分ができないせいだと我慢してきました。

しかし、ここ数年、自分なりにいろいろな知識と経験を積み、私がそれほど世間知らずでも常識はずれでもないことに気づき、多少自信を持てるようになりました。

その自信のおかげもあり、会社の専務(私)という立場で物事を考え、社長にも進言してきましたが、私がそういった態度になったことが社長からすると「生意気、俺にたて突いている」と思うようで、私への攻撃が半端ではありません。

会社でも社員の前で罵倒され、挙句、「専務が社長の言うことを聞いていないと(従業員の)みんなが言っている」と何度も何度も私に言ってきます。

実際に従業員たちの話を聞くとそんなことはなく、「一般的に社長と対等に話せるのは専務しかいないし、たて突いているとは思わない」という認識でいることがわかります。

また、毎日22時前後に帰宅するため、家事などはほとんどできず、息子が夕飯の支度をしてくれていたりもするのですが、それを見た夫は「男がそんなことをするな」「食べる暇があったら勉強しろ」などと息子にもひどい言いようです。

まだ私に余裕があった頃はもちろん食事の支度をしていましたが、それでも何品も作ることは不可能です。1品2品の食卓を見て「これだけか」と言われることもありました。

他にも、どんぶりやパスタが多くなると「太るから食べない」と生野菜を自分で買ってきて食べていたり、1食生活が健康に良いと何かで知ると1食しか食べない等、そのこだわりが突然なため私にはまったくわからないのです。

そのうち作っても食べないという状態が続いたので、私も夫の食事の支度をするのが嫌になり“勝手にやってください”という形にすると、それはそれで気に入らないらしく「俺のことを粗末にしている」とまた文句が始まります。

最近では突然何の前触れもなく「お前は両親に俺の悪口を言って心配をかけている」などと言い出し、正月に会った以来私は親と連絡を取っていないし、正月に会った時もあなたが一緒にずっといて悪口なんて言っていなかったのはよくわかっているはずだし、親もいつもと変わらず対応していたはずなのに、何を言い出すのかさっぱりわからない、と反論したところ「今に思い知らせてやる」とわめき散らすという、何がなんだかわからない状態です。

先日は突然「頼むから離婚してくれ」と土下座をされ、私も疲れていたので、「わかったけど会社は辞めさせてもらうし、財産分与はしっかりしてもらうから」といったところ「お前なんかにびた一文渡すもんか!!」とそれはすごい剣幕でした。

結婚生活のほとんどを会社経営に費やしてきて、私もそれなりに会社には貢献をしていますので、財産形成にはそれなりの寄与をしていると思うのですが、「クビにしてやる」(私は役員なのでクビというのはおかしいと思うのです)「家も子供も取り上げてやる」「今から仕事なんか探せると思うな」と追い詰めてきます。なぜ録音しなかったのかと後悔することしきりです。

こんな生活はもう耐えられませんが、従業員や取引先のことを考えると現状私が果たしている役割を放り出すわけにはいかないという気持ちが強く、また、息子もまだ中学生のため高校卒業までは何とか我慢しようと思う自分もいます。

仕事、家庭のどちらかではなく両方を失うことになることへの恐怖もあります。

どうしたらよいのでしょうか・・・。

(***ご相談内容は一部編集しております***)

(本記事は、当サイト「働く女性無料相談窓口」より、働く女性から寄せられたご相談にお答えする内容となっております。)

回答者:一般社団法人 全国行動認知脳心理学会 理事長 大森篤志

こんにちは、BPLaboです。

Yさん、ご相談ありがとうございます!

BPL Woman Editor

それでは、回答させて頂きますね。

大森篤志からの回答内容

「夫のことが嫌いで嫌いで、本当にもう関わりたくない…」Yさんのこの言葉が、これからどうすればいいのか、その答えにつながっているように感じています。

自分の幸せを優先する

「自分都合で今の責務(役割)を放り出すことはできない」と思うYさんのお気持ちはよくわかります。Yさんの責任感や誠実さの表れでもありますよね。

その一方で、この難題を乗り越えていくためには、Yさんご自身の考えを柔軟に整理し直す必要もある、と私は思っています。

“無理な自己犠牲の先に幸せが待っている”というのなら(Yさんがそう思えるなら)、このまま我慢を続けることも人生戦略のうちと言えるでしょう。

しかし、もし“自分の人生を呪い、後悔だけが残るような未来が待っている”のだとしたら(Yさんが明るい未来を描けないようであれば)、あまり難しく考えずに自分を優先する思い切った決断も必要になってくるのではないでしょうか。

離婚して会社を辞めてしまえば、従業員や取引先の諸対応は会社(旦那さん)が引き受けることになるでしょう。組織とは、そういうものです。

「自分が退社した後のことは知ったこっちゃない」と無責任になれたらどれだけラクなことかとは思います。

ですがそこまでにならなくとも、十分な引き継ぎを行い、従業員や取引先にもきちんと挨拶をして退社することができれば、責務(役割)は十分に果たしたものと周りは(旦那さん以外は)わかってくれるはずですよ。

息子さんが何を感じているのか確認する

息子さんと二人きりでじっくり話す機会をつくり、『息子さんが父親と母親の関係に対して感じていることをただひたすらに聞く』ことも大切です。

その際、Yさんは口を出してはいけません。

話の腰を折ることも、「そうそう」「そう思うよね」と肯定したり、「それは違う」「そんなことはない」と否定したり、息子さんの言葉を評価することも極力避けるようにしましょう。

息子さんの感じていることを『肯定もせず、否定もせずに、ただそのまま受け止める』ことを徹底して下さい。

息子さんの気持ちに寄り添うように「◯◯な気持ちがあるんだね」「◯◯と感じているんだね」などの受容的な言葉をかけてあげれば、安心して本音を語ってくれると思いますよ。

息子さんの口から語られる言葉から“現状の夫婦問題が息子さんに与える影響”について把握するよう努め、これからどういう選択をすることが息子さんのためになるのか、という点についても合わせて考えてみましょう。

自分の助けになってくれそうな人を把握する

夫婦の問題は夫婦だけでなんとかしようとする傾向があり、どちらか一方(特に立場の強い側)に有利な解決方法になりやすく、公平性が失われがちです。

夫婦問題のように閉ざされがちな性質がある場合は、第三者の力を借りて対応することが賢明でしょう。

自分の助けになってくれそうな人、現状の問題を解決できそうな知恵や人脈などを持っている人、あるいは専門機関などを把握し、助けを求めると打破しやすいのですが…。いかがでしょう。Yさんの周りにそういう人はいますでしょうか?

例えば、Yさんのご両親はどうでしょう。

旦那さんから「お前は両親に俺の悪口を言って心配をかけている」と誤解されているため下手に動けないし、親に余計な心配や迷惑をかけたくないという子供心も当然あるので「それだけはできない…」と拒絶反応を示されるかもしれません。

しかし、娘であるYさん、孫である息子さんの幸せを心から願い、二人に何かあった時には無条件で助けになってくれる一番身近な存在は間違いなくYさんのご両親です。

ハラスメント夫との離婚には専門家を頼る

ご両親にきちんと状況を伝え相談した上で、もし離婚したほうが二人(Yさんと息子さん)のためであるという結論に至った場合は、ハラスメントによる離婚問題を得意とする弁護士などの専門家を頼ることが賢明です。

財産分与や親権についても詳しく教えてくれると思いますよ。女性の立場をよくわかってる弁護士を探し、まずは無料相談してみる(現状を正確に伝える)ことから始めるのも一つの方法だと思います。

あるいは、Yさんと同じような理由で離婚を経験したことのある友人・知人がいれば「どのように解決したのか」直接インタビューし、実際の体験談からヒントを得る方法もあります。

旦那さんにバレないよう秘密裏に動かなければなりませんが、もしかしたら従業員や取引先、その関係者の中にもいるかもしれません。

いずれにしても、「一人ですべてなんとかしなければならない」と思わないで下さい。

「この状況を話せる人や、今の私を助けられる人なんていない!」などとも決めつけずに、Yさんの人脈を掘り返してみたり、心強い専門家を見つける努力をして下さい。

頭の中だけで考えずに、実際に紙にリストアップしていくと整理しやすいですよ。

暗いトンネルから抜け出す

一人で悩んでいると、長く暗いトンネルに入っているようで、本当に外の明るい世界へ出られるのだろうか、ここからずっと出られないのではないか、と不安に思えてくるものです。

誰かに助けを求めることが頭で考えているほど簡単ではないこともよくわかっています。

しかし、勇気を出して周囲に助けを求めた途端、遠くに明かりが見え始めることが多いのも事実です。塞がっていた状況が開き、一気に抜け出せることもあるでしょう。

ぜひ、本回答を参考に「これからどうするか」を考え、行動してみて下さい。