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【キャリア相談】仕事の幅を広げたいのに機会を与えてもらえない。上司の「お気に入り」ばかりに機会が与えられる

働く女性の無料相談・回答

相談:仕事の幅を広げたいのに機会を与えてもらえない。上司の「お気に入り」ばかりに機会が与えられ、自分の仕事の幅やキャリアが狭くなってしまうことを憂慮している。

相談者:もちもちこあらさん

私は田舎の支店で働く20代後半の会社員です。

田舎故なのか、高齢化が激しくミドルマネジメント層が空白で、入社10年以内のアラサーと定年前後の社員で回しているような職場です。

上司は、アラサー世代の中で一人「お気に入り」がおり、その「お気に入り」だけに様々な経験や仕事を与えて『仕事がデキる奴』を作っています。

逆にその他多数のアラサー世代は何年も同じような仕事しかさせて貰えなかったり、情報を絞ってわざとミスを誘発させられる、ミス後のフォロー無しで放置されるなどし、『デキる奴』を輝かせる為の『デキない奴ら』が大量生産されています。

「お気に入り」は自分がナンバーワンであることを自覚しているので、その他大勢には挨拶を返さなかったり、横柄な態度を取る、仕事をまともに引き継がない事で自分よりもデキない人間を嘲笑うような言動が多々見られます。

そのような不遇さに、私と同世代の男性の先輩達は辞めていきました。

私は都市部から田舎へ引っ越してきて中途採用で入社したのですが、厳しい前職での経験のおかげで仕事はこなせ上司からは一定の評価を頂いています。

もっと様々な業務に取り組んだり、スキルアップの為に資格を取るなど、仕事の幅を広げたい旨を伝えても「〇〇さんは、まだいいよ!」と言われ、新しい事を経験する機会をなかなか与えてくれません。

まだいいと言われても、もう私も20代後半。この会社に入ってから、世間の同世代からどんどん遅れをとっているような気になります。

最近は普通なら会社が費用を出してくれるような講習や資格試験も実費で受けに行っています。

恐らく誰一人も「お気に入り」を超えてはいけないんだと気付きました。その「お気に入り」をナンバーワンに据え、将来の支店トップにさせる為に、自分の仕事の幅やキャリアが狭くなってしまうことを憂慮しています。

この状況を打破するにはどうすればいいのでしょうか。

(本記事は、当サイト「働く女性無料相談窓口」より、働く女性から寄せられたご相談にお答えする内容となっております。)

回答者:一般社団法人 全国行動認知脳心理学会 理事長 大森篤志

こんにちは、BPLaboです。

もちもちこあらさん、ご相談ありがとうございます!

BPL Woman Editor

それでは、回答させて頂きますね。

大森篤志からの回答内容

現在20代後半とのことですが、自分自身のキャリアと真剣に向き合う姿勢には頭が下がります。その姿勢を維持し、なりたい自分になろうと行動し続けることができれば、おのずと打開できる日は来るでしょう。

とはいえ、環境などの外部要因の影響はとても厄介なものです。そのせいで、心が折れてしまったり、諦めてしまったり、自分を見失ってしまうことはよくあります。

特に転職してあまり日が経っていない場合は外的なストレスを大きく受けやすいため注意が必要です。

周りに振り回されずに自分のキャリアを築いていくためには、やはり、自分自身の軸を強固にする他ありません。次の3ステップを実践してみて下さい。

【ステップ1】キャリアビジョン

まず、キャリアビジョン(なりたい自分の姿)を明確にしましょう。

人生・仕事において、どんな自分になりたいか。「時間に縛られずに仕事をしている」「QOLが高く充実している」など、まずは抽象度の高いところからイメージすると描きやすいですよ。

【QOL】
QOL(クオリティ・オブ・ライフ)とは、『生活の質』を指し、人がどれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、ということを尺度としてとらえる概念のこと。QOLの「幸福」とは、生きがい、身心の健康、良好な人間関係、やりがいのある仕事、など様々な観点から計られる。
(出典・引用:Wikipedia

漠然とでも中長期的なゴールを描くことができたら、次は「◯◯をライフワークにしている」「◯◯の部門長として活躍している」「フリーランスで◯◯活動をしている」など、徐々に抽象度を下げ、ゴールに向かう途中の通過点を具体的にしてみましょう。

こうありたいと願い、なりたい自分を思い描くことは、自分の置かれている環境が良かろうが悪かろうが関係ありません。難しく考える必要もありませんよ。

『1年後、3年後、5年後、10年後に自分がこうなっていたらいいな』という姿を想像し、書き出してみて下さい。

【キャリアビジョン】
人生・仕事において自分自身のなりたい姿のこと。自分自身の価値感、興味・関心、欲求、幸福感などを把握し、自己理解が深まると、なりたい姿がより明確になる。
(出典・引用:weblio

【ステップ2】キャリア・アンカー

次に、キャリア・アンカーを明確にしましょう。

キャリア・アンカーは、「仕事に何を求めるか、何を大切にするか」といった、

『なりたい自分への行き先を見失わないための“道標”、キャリアに迷った時に再確認する“原点”や“拠り所”のようなもの』

と考えて下さい。

【キャリア・アンカー】
アメリカ合衆国の組織心理学者「エドガー・シャイン」によって提唱された概念。人が自らのキャリアを選択する際に、最も大切な価値観や欲求のこと、また、周囲が変化しても自己の内面で不動なもののことをいう。
(出典・引用:Wikipedia

お気に入り社員と上司を思考の外へ

キャリア・アンカーがしっかり設定されると、お気に入りの社員は眼中に入らなくなります。上司からの評価をいたずらに気にすることもなくなるでしょう。

アンカーとは錨(いかり)、船が流されないよう水上に止めておくための道具です。自分自身のキャリア・アンカーを強固にしておけば、お気に入り社員や上司がどんな大波を起こそうとも、流される心配はありません。

【ステップ3】キャリアプラン

キャリビジョン、キャリア・アンカーを明確にしたら、次はキャリアプランについて考えてみましょう。

複数のシナリオを想像することがポイントです。

【キャリアプラン】
自分が今後どのような仕事をしていきたいかの目標を持ち、その実現のために計画を立てること。どのような仕事をし、どのような人生を歩むかをプランニングすること。
(出典・引用:コトバンク

参考までに、例として営業職のキャリアで考えられるプランをいくつかお伝えしておきます。

1. 現在の会社で管理職や経営層を目指す

様々な仕事を経験して結果を出し、組織内の政治力も身につけ、現在のポジションから昇進・昇給していくプラン。

2. 職業能力の専門性を高める

現在の会社で昇進・昇給は望まない。

それよりも、ある特定の分野(例えば、金融商品の営業など)で専門性を高めることを重視する。成長の機会があれば転職し、自分の専門を活かしてキャリアを極めていくプラン。

3. どこでも通用するマルチプレーヤーを目指す

様々な経験を積むために3〜5年程度で業界を変えていく。

どんな商品やサービスの営業でも結果が出せるプロフェッショナルになり、ゆくゆくは営業部門をるトップに上り詰めるプラン。

4.経験とスキルを活かしフリーランスとして活動する

現在の会社にどこかで見切りをつけ、フリーランスとして独立するプラン。

5. 起業して経営者になる

1.とのハイブリッド。現在の会社で経営ノウハウを学び、起業して経営者になるプラン。

ざっと5つほど営業職でのキャリアプラン例をあげてみましたが、こんなところでしょうか。

どんな職業であっても複数のキャリアプランを考えることは可能です。自分のキャリアビジョン、キャリア・アンカーに基づいて複数のプランを考えてみて下さい。

自分自身の軸を強固にするための3ステップ、いかがでしたでしょうか。

軸が強固になっていれば、「現在の会社に残るか、去るか」という点も含めて賢明なジャッジが可能になります。

この機会に改めて自分がどこに向かおうとしているのかじっくり考えてみて下さい。