大森篤志からの回答内容
なるほど。夫婦喧嘩の時、旦那さんは「怒っていない」と主張し、Sさんは「怒られている」と感じている。つまり、「お二人の感じ方に大きな差がある」という事のようですね。
ただ、夫婦喧嘩というシチュエーションであれば、多少の言い争いにもなるでしょうから、仮に「旦那さんが怒る」ということがあったとしても特別におかしい事だとは思いません。夫婦どちらも怒らずに話し合える状況であるなら、それは話し合いであって、そもそも喧嘩ではないからです。
また、「プライドが高い、嘘をつく時がある、口が上手い、お金の管理はお前に任せてるんだからそれは頼む、ちゃんと考えろ考えが足りん」などの旦那さんの特徴も、それでモラハラと言えるか問われれば『断定することは出来ない』というのが本音です。(もちろん文章からだけでは背景が読み取り切れない部分も多いのですが)
例えば、Sさんが家計を管理していて、毎月3万円で足りていた食費が今月になって急に倍にまで増えたとしたら、旦那さんが「ちゃんと考えろ考えが足りん」と言うのにも筋が通ります。
「無視」や「長時間の説教」に関しても、どのような背景があって、どのくらいの期間や時間それが行われたのかによっても私の回答は異なってきます。
例えば、何かの拍子にSさんが旦那さんの大切な価値観を否定してしまったとしたら、傷ついた気持ちの整理がつくまではSさんと話したくないと心に蓋をしてしまう旦那さんの気持ちも理解できます。
あるいは、Sさんが旦那さんの大切な物を不注意で壊してしまったとしたら、それでいつもより執拗に説教されることがあってもモラハラとは言えません。
ご自身でモラハラかどうかを判断する際は、その背景に着目するよう心がけて下さい。
モラハラの場合
もし旦那さんがモラハラ夫である場合、たまにする喧嘩の時だけでなく、恒常的に罵詈雑言を浴びせ、家庭内恐怖政治を敷き、時に優しく穏やかな一面を見せながら『(アメとムチの)緩急をつけてくる』はずです。
Sさんが自分の意見を主張しようものなら、揚げ足を取られ、内容を歪められ、話はすり替えられ、あらゆる手段を使って「俺が正しい、お前が間違っている」と責め立てられるだけで、まったく会話が噛み合いません。
双方向のコミュニケーションではなく一方的で、Sさんが何を言っても無駄でしょう。やがて「もう一言の反論をする気力も無くなる」のです。
Sさん夫婦の現状と比べていかがでしょうか。どの程度当てはまりますか?
あらためて現状と照らし合わせて考えてみて下さい。
ご相談内容に1点とても気になる言葉がありました。
それは、Sさんご自身が『旦那さんに「怖い」と感じている』『反論する気力が無くなる』という点です。
「モラハラの場合」で先程お伝えした通り、これらの点はモラハラ被害者の心理状態に共通する特徴でもあります。
まだSさんがモラハラ被害者の心理状態にあると決まったわけではありませんが、可能性があるのにこのまま放置しておくわけにもいきません。
これを機会に、あらためて旦那さんから怒られた時の状況や背景を考えてみて下さい。その時どういう理由があって怒られたのか、その理由は適切なものだったのか、本回答を参考にじっくり振り返ってみましょう。
その理由が不当・理不尽なもの、あるいは一般的な考えから逸脱したものであれば、旦那さんの言動はモラハラである可能性があり、Sさんの心は既に旦那さんの支配下に置かれている状態なのかもしれません。
今のSさんに必要なこと(Sさんがまず行うべきこと)は、自分の置かれている状況を正確に把握することだと思います。最も肝心な部分ですので、じっくり取り組んで下さい。