働く女性の為の【職場環境でのパワハラ対策・対処方法】

こんにちは、一般社団法人 全国行動認知脳心理学会 理事長の大森篤志です。

大森篤志

今回は、『上司のパワーハラスメント(以下、パワハラ)対策・対処方法』を6つご紹介します。

上司によるパワハラは、職場において「部下を指導する」という大義名分を振りかざし、怒鳴ったり、威嚇したりという分かりやすい形で表れる場合が多いため、事前に立てておいた対策は十分に活かせると思います。

1)パワハラの事実を記録しておく

多くのパワハラ被害者は、「これはパワハラではないか?」と確信するまでに多少の時間を要しているのが実情です。

パワハラを受けたと初めて確信した時、同時に「実は、ずっと以前からパワハラを受けていた」ということにも気付くのです。

そのため、「以前からのパワハラの事実を詳細に記録していた」という人はほとんどいません。

その場ではパワハラかどうかを判断することが出来なくても、あなたが不快に感じた相手の言動は記録しておきましょう。

小さなことかもしれませんが、後々になって受けた行為がパワハラであると判断された場合は、以前からの記録が大きな効果を発揮することになります。

記録の仕方にマニュアルがあるわけではありませんが、以下のような点に留意しておくといいでしょう。

  • 加害者をハッキリさせる(名前は?どのようなポジションの人か?年齢は?性別は?など)
  • 日時を正確に記録する(何年何月何日何時何分にパワハラを受けたのか?など)
  • 背景や状況をハッキリさせる(どのような状況で?何がきっかけで?場所はどこで?他に誰がいたか?など)
  • パワハラの言動を記録する(どんな言葉で?どんな態度で?どんな声の大きさや表情で?など)
  • 「メモ」+「レコーダー」で記録する(音声記録があるとメモの信憑性が劇的に高まるため)
  • 医師に診断書を書いてもらう(ストレスにより身体に異変が見られる場合は証拠になるため)
  • ツールを使ったやり取りの内容は残しておく(メール、LINE、電話の履歴、留守番電話記録など)

いずれにしても、「パワハラを受けた時に出来るだけ詳細な記録をとること」が一番大事です。

2)加害者に対してハッキリ主張する

多くのパワハラ加害者は、パワハラ行為であることを自覚しながら、あえて人を傷つけようとします。

被害者の顔をよく見て、困ったり、落ち込んだり、泣いたり、傷ついたりするのを期待しているのです。

そして、被害者の様子を伺いながら「この程度ならまだ大丈夫」「もう少し厳しくしよう」などと考えています。

また、被害者が「言いすぎではないでしょうか?」と意見しようものなら、「ダメなところをダメと言って何が悪い」とパワハラ行為を正当化してくる加害者も多いようです。

パワハラ加害者の行為をエスカレートさせてしまう要因の一つに、「被害者が自分を責めてしまうこと」があげられます。

理不尽な注意を受けたり、叱咤されたりしても、実際は「自分が悪いと思ってしまうため抵抗しない被害者が多い」のです。

大事なことは、加害者に対して「それはパワハラです!」「そこから先はパワハラです!」とハッキリ主張すること。

とはいえ、相手が上司や先輩ともなれば、ハッキリと拒絶の意志を示すのはなかなか難しいものです。

どうしてもズバッと言えない時は、「その言葉はパワハラのように感じて怖いです」と自分の気持ちを伝えましょう。

「それはパワハラです!」と決めつけるのではなく、あくまでも「パワハラのように感じます」と気持ちを伝えるのがポイントですよ。

加害者は、大なり小なり「相手にパワハラと認識されることを怖れている」ことは間違いありません。その心理を突き、「これ以上はヤバイ」と思ってもらうことが狙いです。

3)同士を募る

あなたに「上司からパワハラを受けている」という感覚があるのなら、同じ職場内にあなたと同じような感覚を持っている人がいる可能性が高いです。

あなたと同じようにパワハラ被害を受けた経験がある人や、直接的な被害経験はなくても「客観的に職場内のパワハラを感じている人」「上司がパワハラ行為をしているところを見たことがある人」もいると思います。

いずれにしても、「上司のパワハラは不快だ!」「職場からパワハラをなくしたい!」と思っている同士は身近にいるものです。そういう同士と一緒にパワハラ対策を考えることが出来れば、実際の行動も起こしやすくなるのではないでしょうか。

一人だけで悩み続けてしまうと、その行き着く先は「泣き寝入りするか、会社を辞めるか」になってしまうことも少なくありません。

パワハラ問題を解決しようと思うなら、一人より二人、二人より三人です。

同士と一緒なら、水面下で職場内パワハラの有無を問うアンケートを行ったり、会社のパワハラ対策を促進するための署名運動を行ったりすることも出来るでしょう。

4)会社内の窓口を利用する

あなたの直属の上司がパワハラ加害者である場合は、その上司よりも上の立場に当たる人に相談することが鉄則です。

しかし、上同士がつながっていることも多く、問題解決に至らないケースも多いようですね。

上に相談しても”らちがあかない”時、あなたの会社に「コンプライアンス課題を把握する部署や窓口」がある場合は、ぜひ利用しましょう。

企業コンプライアンス専門の部署や窓口であれば、少なくとも人事・総務部などへ相談するよりは、社員の相談内容が上司に筒抜けになるようなリスクは低いと思います。

もし、そのような部署や窓口がない場合は、人事・総務部より先に「組合」へ相談する方がいいかもしれません。なぜなら、人事・総務部よりも組合の方が「もみ消されるリスクが低い」と考えられるからです。

ただし、組合があっても会社によって組合の組織力(影響力)には違いがあります。そのあたりも念頭に置きながら、過度な期待をせずに一度相談してみるといいでしょう。

会社に組合がない場合は、守秘義務の厳守をお願いした上で「人事・総務部」へ相談するといいでしょう。誤解を招かないようにお伝えしておきますが、親身になって改善に取り組んでくれる「人事・総務部」もたくさんありますからね。

5)感情的にならない

コンプライアンス専門の部署や窓口、組合、人事・総務部、また加害者である上司のさらに上司にパワハラ相談をする際は、これまでの記録を提示した上で報告することをオススメして参りました。

そして、報告の際に大事になってくるのが「感情的にならないこと」です。

ようやくパワハラ相談が出来る!という時、これまでずっと我慢してきた気持ちが溢れ出してしまうことがあります。しかし、報告中に泣き出してしまうようでは相手に何も伝わりません。

冷静さを欠いて感情論がメインになってしまうと、被害者側にも何らかの問題があるのではと思われてしまいます。

パワハラ問題を解決させるには、加害者に対して何を望んでいるのか、会社への要望は何なのか、これから具体的にどう対処していくのかなどを建設的に話し合う必要があります。

冷静な態度で臨めるように、深呼吸をして気持ちを落ち着かせておくことも大事な対策の一つだと思います。

6)会社外の窓口を利用する

会社内の部署や窓口で解決できない場合は、会社外の窓口を利用するといいでしょう。

厚生労働省等が設けている職場のパワハラ関連相談機関を以下にご紹介しておきます。

  • 総合労働相談センター(各都道府県の労働局)
  • 個別労働紛争のあっせん窓口(各都道府県の労働委員会/各都道府県庁)
  • 法テラス(日本司法支援センター)
  • みんなの人権110番(全国共通人権相談ダイヤル)
  • かいけつサポート(法務大臣の認証を受けた民間事業者)
  • こころの耳(働く人の相談サイト/厚生労働省)

国が主体となっている窓口ですから、安心して気軽に相談してみるといいと思います。

社内にパワハラの相談が出来る部署や窓口がない時、多くの人は諦め、絶望し、早々に会社を辞める選択をしがちです。

納得して会社を辞めるのであればそれも良しですが、もしそうでないのなら社外に目を向けてみるといいでしょう。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

パワハラは、加害者側の問題です。被害者側の問題ではありません。

「対策・対処方法が効かない」「どうしても耐えられない」「このままでは自分がおかしくなってしまう」と思ったら、最終手段は退職をすることです。

いざ退職となると不安はつきものです。しかし、最も優先すべきは「あなたの心の豊かさ」ではないでしょうか。あなたが生き生きと輝き、活躍できる職場は他にも必ずあります。

心身の健康があっての仕事であり、『あなたがダメになってしまう環境に身を置き続ける理由など、どこにもない』と私は強く思っています。